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「人間に入れ込むのは勝手だけどギールス様は本来、人間のことなんて気にかけなくてもいい方ってことを忘れるなよ」
「わかってますって」
レストの言葉に、Aはロシアへ連れてこられた当初に顔を合わせたウルドを思い出した。
値踏みするかのような居心地の悪さ極まりない視線と心を傷つけんとする強い言葉尻。
その時のウルドと何ら遜色ない。
吸血鬼であることを誇り、それに補食される人間を見下しているのだ。
当初、敵意を持っていたであろう彼から、ルクの協力と数年間という時間を経てAは信頼を勝ち取るに至った。
いつか、レストも同じく認められる日が来るかも知れないと漠然とした期待を胸に持って接すればあとは自ずと時間が解決してくれるだろう。
それに、あまりルクを困らせたくない。
レストは見た目が子供とはいえ、ルクより二つ上の位を持つ上位始祖である。
「えぇと…………レスト様…さっきは、ごめんなさい」
「ふぅん。素直に謝れるんだ」
値踏みするかのような視線を浴びながら、Aはルクの背に縮こまった。
ルクの腕が背に回り、よしよしと撫でられる。
その事に安心感を得たAはルクのジャケットに顔を埋めた。
ルクが持つ独特の優しい香りが胸いっぱいに広がった。
落ち着く香りだ。
Aはルクに夢中でその姿を見てレストが目を丸くしていることに気づかない。
「案外しっかりしてるように見えてガキじゃないか」
「……………」
「もー…Aを虐めるのはこの辺にしておいてくださいよー」
ルクはそう返したが、レストの言うとおりだ。
見た目年齢の割には子供のような仕草や言動の多いA。
彼女にも自覚があって、それを治そうとはしている。
だが、以前からの癖はすぐに抜けきることはなく未だ健在だ。
彼女はひそかにルクの横に胸を張って立てる日を夢見て、藍をぎゅっと握りしめた。
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こんぺいとう(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます！新しいものはあと一週間くらいで公開できるかと思いますので、もう少しお待ち下さい〜！ (2021年1月21日 20時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぽ(プロフ) - おもしろくて勢いよく読みました！！！続きが楽しみです！ (2021年1月20日 9時) (レス) id: f5136f3fcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年11月8日 21時
