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不安になり、本当に大丈夫なのかとルクへ詰め寄るが彼はいつものようにへらりと笑うだけだ。


さらに彼はAがせっかく整理した書類が散らばったことの方が残念そうで少し悲しげな目をしている。


ひとつひとつの書類を浮かない顔をするルクと共に拾い、何とか整理する前の状態まで戻すことができた。


折れ曲がっていたり、シワがあったりでうまく紙と紙が重ならずごわつくが許容範囲だ。




「どこに持って行く分だ、これ?」

「ウルド様のところ…」

「俺も一緒にいく。くれ」




行き先を告げたとたんムッとしたルクはAの手に抱えた書類全てを彼女から奪った。




「ちょっと、ルク取らないでよ」

「やーだね」

「私のお仕事〜!」

「やめろって、おい。取ろうとするな」




背の高いルクは両手を持ち上げ、ついにAの手の届かないところまで持ち上げてしまう。


なぜそんなに頑なになるのだろうか。
Aは首を傾げる。




「…首、痛むか」

「もう平気」

「お前が手伝ってくれたのにめちゃくちゃになって、ごめんな」

「なんでルクが謝るの」




廊下をとぼとぼと歩くルクにAはゆっくりとついて回る。


そんな彼はいつもと違って覇気がない。


少しでも元気付けようと、Aはルクに身体を寄せた。




「お前が苦しそうにしてた姿を見てちょっとびっくりしたんだ……ほんとレスト・カーに大切なお前を殺されるかと思った」




立ち止まった彼は書類の山を一度を出窓の小さなスペースに置き、Aの無事を確かめるように触れる。


優しく撫でられる頬の擽ったさに身を捩ったAは何か彼を元気づける方法はないかと探す。


視線が止まったのは、少し高い所にある唇だった。


彼にそうしてもらえるととても嬉しい。
日頃から頬や額に貰うことはあるが、やはり唇同士のふれあいは特別な意味を持つ。


それもルクと交わしたのは過去に二回だけ。
どちらも彼から与えられたもので、Aからということはなかった。


もちろんそれには身長や環境、その場の空気だったりと様々な要因があるが、どうしても気恥ずかしさが勝り、行動に出られずにいた。


行動を起こすは今ではないのかそう考えるがばくばくと酷くうるさい胸が早鐘を打つ。

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こんぺいとう(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます!新しいものはあと一週間くらいで公開できるかと思いますので、もう少しお待ち下さい〜! (2021年1月21日 20時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぽ(プロフ) - おもしろくて勢いよく読みました!!!続きが楽しみです! (2021年1月20日 9時) (レス) id: f5136f3fcb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺいとー | 作成日時:2020年11月8日 21時

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