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「ルク！これ教えて！」
彼の悩みを知ることがないAは天真爛漫に笑い、とにかく自由だった。
無限に体力のある吸血鬼を容赦なく引きずり回して、とにかく遊んで、様々な物を教えてとせがむ。
そしてある時、ふとスイッチが切れたかのように眠るのだ。
遊び相手がルクしか居ない彼女にとって、ずっと一日中べったりとくっついても仕事だからと引き離されてしまうことのないここ数日はさぞ楽しい時間だったことだろう。
「一緒に居るとつまらない？つまらなさそう…」
「んーそうでもないさ」
「ほんと？」
「ほんとほんと」
「嘘つき。顔がつまらないって言ってる。嘘つきはダメだよ。あーあ、ルク、針千本飲まなきゃ」
聞いたことのある台詞だ。
"針千本飲ます"
"指切った"
彼女が昔、約束をするときに小さく歌った歌。
本当に千本飲まないと呪いの類に襲われると言った類いのものなのだろうか。
「違うって、楽しいけど考え事があって…それでも千本飲まないとダメなのか？」
「んーなら大丈夫」
「なんだよーったく…」
少し身構えてしまったではないか。
「その針千本飲ますって、何なんだ？」
「嘘をつかないように約束をするときに歌う歌」
ならば、彼女の先ほどの使い方は間違っていないか。
まあいいか。
それを言ってしまってはキリが無くなってしまう。
少しだけ、命が尽きる間際にした約束を思い出した。
カリャージンの鐘楼に行く前の約束。
頬を緩ませ、楽しみにしていると笑ったのが最後に見たAの笑顔の記憶。
その数日後には彼女は体から魂を失い、空っぽの器だけがルクの元に残った。
「ルクどうしたの」
「あーいや…」
「ごめんなさい。針千本は、しなくていいから…悲しい顔しないで」
「悲しい顔、してたか俺」
そう言うと彼女は頷いた。
感情を他者から読み取る点に関しては長けているA。
自身に原因があるのかと少し怯える様は悪いことを言ってしまった子供が反省するときのそれととても似ていた。
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こんぺいとう(プロフ) - RiAさん» ありがとうございますー！この頃更新が遅くなって日付を跨ぐこともしばしばですが１日１更新は必ず守っていきますので、どうぞよろしくお願いします♪ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - こんぺいとう様の作品全部大好きです(＞＜)ずっと応援してます！更新楽しみにしてます！ (2020年10月1日 11時) (レス) id: 5404c24946 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - ありがとうございます！ちょっぴり切なくてシリアスですが、今後もお付き合いくださいー！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - ストーリー凝っててすきです…応援してます (2020年9月30日 19時) (レス) id: b8745ce36d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月24日 22時
