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Aが無垢に慕い、こうして身体を寄せてくる度にどきりとする。
身体つきは比較的、良い方に入る彼女はまだまだ精神的に幼く、男女の違いというものをこれっぽっちも理解していない。
なのに時折こうして照れるような仕草をし、視線を逸らした流し目に成熟した女性に近い色っぽさを感じる。
たまったものではなかった。
血の欲ではない、別の欲が沸々と胸の内で沸き上がるのだ。
いい加減腹が立ってくる。
彼女はなにも感じていないかもしれないが、ルクばかりこうして悶々と悩み、考えるのは割に合わない。どこかで終止符を打たなければならないだろう。
ウルドが以前に言ったように、Aはルクに対しての距離感があまりにも近すぎた。
それを許容して甘やかしてきたルクの責任もあれど、ロシアに連れて来てから数年が経った今、いい加減に彼女を自立させるべきだ。
これで多少なり考えてくれればそれで良い。
そんな浅はかな考えで少し目元を赤くして恥ずかしそうに愛らしい仕草をする彼女へ額を寄せた。
「ほら、ちゃんとこっち見ろ」
「…………」
「お前は従順で良い子だ。…けど、何も理解してない悪い子だ」
鼻の先をすり合わせ、見つめ合う様はまるで睦み合う男女のようだ。
だが、正しくはルクとAは違う。
反射的に顔を逸らそうとしたAの顔を再度、押さえつける。
「お前はもう子供じゃない。そろそろ俺から離れて自立することも覚えないとだーめ」
「い、いやだ…離れたくない」
「良いか、お前がそうやってすがり付いてるのは吸血鬼だ。しかも男。この意味わかってんのか」
「わかってるもん……」
「いーや、わかっちゃいない。普通ならこんな距離に男が居れば違和感を感じるもんだろ」
それでもなお反抗的な色を見せるAの黒曜石にルクは眉根を寄せる。
「なら、狼に食われても文句はないなー」
「狼って…」
Aの頭の下から腕を抜き上体を持ち上げて、小さな身体にのし掛かるように組敷くと意味がやっと伝わったのか目を見開いて驚いている様子だ。
思い描いていた通りの反応をする獲物に笑みを漏らす。
彼女はやっとそこでルクの意図を理解したらしく、事の重大さに気づいたようだ。
最も既に手遅れだが。
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こんぺいとう(プロフ) - RiAさん» ありがとうございますー！この頃更新が遅くなって日付を跨ぐこともしばしばですが１日１更新は必ず守っていきますので、どうぞよろしくお願いします♪ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - こんぺいとう様の作品全部大好きです(＞＜)ずっと応援してます！更新楽しみにしてます！ (2020年10月1日 11時) (レス) id: 5404c24946 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - ありがとうございます！ちょっぴり切なくてシリアスですが、今後もお付き合いくださいー！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - ストーリー凝っててすきです…応援してます (2020年9月30日 19時) (レス) id: b8745ce36d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月24日 22時
