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ルクが再び首を、耳を、甘噛みする。
「だ、だから〜んんっー！」
当然ながら彼は止めてなどくれない。
口では抵抗することをやめないが、体をじたばたと動かして抵抗をするのはもう疲れてとうにやめてしまった。
「んーいやぁ、お前は小さくて可愛くて良い香りがするなぁ。血は不味くて吸血鬼が群がる心配もないし、最高だ」
「最後の褒め言葉じゃないー！」
流石にこの言葉には腹が立ってルクの頭を両手で押し、抵抗した。
もちろん、彼には無意味だ。
もう一度、意を唱えようと口を開いたと同時に普段からよく聞く蝶番が軋むような高い音を耳が拾った。
来客だろうか。
騒ぎすぎてノックにも気づかなかった。
「お前たちは何をしてる…」
「あ、ウルド様どうしたんですか。俺、Aの世話で忙しいんですけどー？」
「………」
「…っわ！やめて！ルクのバカ！やめてってば！ぅ…ウルド様たすけて」
「何してるんだお前は…ルク、仕事だ」
「えぇ…それ、俺が行く必要あるんですか？」
そのやり取りをウルドとしている間にも腕のなかから逃げそうになるAの首根っこを掴み、引き戻す。
「ぅぐ……」
「お前は俺から逃げられないんだから、じっとしてろって。で、ウルド様何でしたっけ」
「ﾁｯ…………」
さも面倒くさそうに舌打ちをしたウルドに少しだけ肩を震わせたA。
彼の体から発せられる威圧感はいつになっても慣れない。
ルクが安心させるように腕の力を少しだけ強め、頭を撫でてくれた。
「何度も言わせるな。お前の仕事だ」
「はぁーい」
ひどく間延びした返事をした彼は仕方ないと少し落胆した色を赤に滲ませながら、膝の上に座っていたAの体を持ち上げた。
ソファに下ろされたAは静かに彼に従いながら、ルクの方が彼女よりもあからさまに残念がるその様が面白可笑しくて笑いが込み上げてくる。
声をあげて笑うほどではないが、とにかく可笑しかった。
あれよあれよという間に若干機嫌を損ねた様子のウルドに引きずられて部屋を出て行ったルクは日が傾き始めるまで戻らなかったが、抵抗しても抵抗しても楽しそうに遊ばれていた事を考えると、良かったとさえ思う。
もしかしたらずっとあのままだったのかもしれない。
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こんぺいとう(プロフ) - RiAさん» ありがとうございますー！この頃更新が遅くなって日付を跨ぐこともしばしばですが１日１更新は必ず守っていきますので、どうぞよろしくお願いします♪ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - こんぺいとう様の作品全部大好きです(＞＜)ずっと応援してます！更新楽しみにしてます！ (2020年10月1日 11時) (レス) id: 5404c24946 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - ありがとうございます！ちょっぴり切なくてシリアスですが、今後もお付き合いくださいー！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - ストーリー凝っててすきです…応援してます (2020年9月30日 19時) (レス) id: b8745ce36d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月24日 22時
