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それから一夜。
再び日が登り、寝ぼけ眼のままベットから起き出たAをドレッサーに座らせてとりあえずは力を加えず緩くポニーテールのように結い上げる。
食事をするにも肩から髪が落ちてしまう少し不便な長さになってしまった彼女を助ける意味できつくは縛らずあえてすぐほどける程の一つ結びだ。
いつものように甲斐甲斐しく世話を焼きながら、ルクは朝食をもそもそと食べるAを見守る。
相変わらず、人間の食事には一切の興味が沸かない。
なにが美味しい不味いの基準なのかも分からないが、きちんと本に表記されている調味料の分量さえ守れば彼女は美味しそうに食べてくれる。
あぁ、乾いた。
そろそろ吸血鬼の食事も用意しなければ。
口の中に渇望に似た渇きを覚え、口元を手で抑える。
彼女と四六時中共に居るのは、大変だ。
こうして吸血衝動が出ることが度々ある。
その度に側を離れ、食事へ向かわなければならないのだが、それをなかなか彼女が許してくれない。
自然とAの露出したうなじに視線が行ってしまうことに嫌気を覚えながらも、早くこの場を離れることだけを考える。
「あーウルド様に用事があったの思い出した」
「…え」
ルクの予想通り、ナイフとフォークを持ったままのAは寂しさを表情に出す。
「大丈夫、お前が食べ終わるまでには戻れるよ」
そう語る間にも、普段は食欲をそそらないAの香りですら魅惑の香りに思えてくる。
彼女の血は不味い。
香りがそう主張しようとも本能的な吸血衝動は止められないのだ。
「………」
「ルク、大丈夫？」
「あ、あぁ…」
「いいよ、いってらっしゃい。すぐに戻ってきてね」
やっとAの許しが出たことで、ルクは焦らずゆっくりと怪しまれない為にドアへと向かった。
本当なら早くこの部屋から転がり出たかった。
だが、そんなことをすれば彼女は確実に背中を追いかけてくるだろう。
後を追ってくる彼女を捕まえ、牙を突き立て、血を飲まないよう自制できるほどルクの理性はできていない。
狂気が勝りかける衝動を辛うじて抑え込み、ルクは自室を脱出した。
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こんぺいとう(プロフ) - RiAさん» ありがとうございますー！この頃更新が遅くなって日付を跨ぐこともしばしばですが１日１更新は必ず守っていきますので、どうぞよろしくお願いします♪ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - こんぺいとう様の作品全部大好きです(＞＜)ずっと応援してます！更新楽しみにしてます！ (2020年10月1日 11時) (レス) id: 5404c24946 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - ありがとうございます！ちょっぴり切なくてシリアスですが、今後もお付き合いくださいー！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - ストーリー凝っててすきです…応援してます (2020年9月30日 19時) (レス) id: b8745ce36d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月24日 22時
