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だいぶ伸びた髪をドレッサーの前で煩わしそうに手で整えていると、その手に手を重ねるようにして動きを止めたのはルクだった。
普段から髪の毛のお手入れには何かとうるさい彼。
酷く扱った訳でもなく、ただただこの髪の長さが煩わしいだけなのだが、何かしらかんに障ってしまっただろうか。
「長いの、嫌か？」
「嫌じゃないけど…邪魔くさい」
Aの言葉にそうか、と呟くと彼は椅子を持ってきて座る。
少し背の高い椅子に座った彼は手袋を外してブラシを手に取るとAの黒髪に通し始めた。
そして器用にゴムでまとめたり、髪を捻ったりと真剣な面持ちで作業すること数分。
ルクはうまく後頭部で髪をまとめ上げ、Aの感じていた煩わしさを見事に解消したのだ。
「わぁ、ルクすごい」
「だろー？もっとほめていいぞー」
「すごい！すごーい！」
所謂、シニヨンヘアーになったAはドレッサーの鏡を近い距離で覗き込みながら右に左にと首を振る。
そしてあらかた確認して満足すると、彼女は改めてルクに心からの感動と感謝を込めた言葉を紡いだ。
「そんなに喜ぶとは思わなかった。これから毎日するか？」
「うん！」
「わかった、任せろ」
彼女の為に髪飾りくらい見繕ってやっても良いかもしれない。
やはり言動の端々に幼さは残るが本来なら装飾品に興味を示す、それくらいの年頃のはずだ。
彼女に装飾品を贈ったことのないルクは試しにどこかで見繕ってみてもいいかと思案しつつ、彼女の手を引いて朝食が準備してあるローテーブルへと向かった。
ルクはその日のうちにAに仕事だと偽って得た時間を使い、廃屋と化した百貨店から吸血鬼たちが集めた貴金属類を保管する倉庫に来ていた。
吸血鬼は装飾品に頓着しないものの、金属は融かせば何かに作り変えられると、街から得た金属を保管しているのだが、この様子では暫く誰も出入りしていないのだろう。
まともに掃除すらなされていない倉庫は全体に埃を纏っていた。
手始めにと手袋が汚れることも気にせず手近な箱を取って開けてみたが、どうやら当たりを引いたらしい。
「んーどれにしよう。悩むな…いっそのこと全部持ってくかー？あ、いや…でも全部持っていった所でつける頭は一つだわ」
うっすらと埃を被るその場所であれやこれやと広げて思案するが、正直どれも捨てがたい。
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こんぺいとう(プロフ) - RiAさん» ありがとうございますー！この頃更新が遅くなって日付を跨ぐこともしばしばですが１日１更新は必ず守っていきますので、どうぞよろしくお願いします♪ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - こんぺいとう様の作品全部大好きです(＞＜)ずっと応援してます！更新楽しみにしてます！ (2020年10月1日 11時) (レス) id: 5404c24946 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - ありがとうございます！ちょっぴり切なくてシリアスですが、今後もお付き合いくださいー！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - ストーリー凝っててすきです…応援してます (2020年9月30日 19時) (レス) id: b8745ce36d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月24日 22時
