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大事な会議があるとかで今日はほぼ留守にすると聞かされたのはルクが部屋を出る少し前の事だった。
どんなに一人で居ることが寂しくても、こればかりは仕方ない。
ひどく長引かなければ会議が終わったあとすぐに帰って来ると約束してくれたルクを信用して見送った。
そしてしばらくして、小さくドアを叩く音が静かな部屋に響いた。
ルクに訪問者だろうかと首を傾げる。
とりあえず返事をして、ドアを開けると見知らぬ女の吸血鬼が立っていた。
「ルクはいません」
「はい、存じております。第五位始祖様からA様のお世話を命じられて参りました」
「………」
「安心してください、身の回りのお世話だけさせて頂きます」
そう言うと女の吸血鬼は掃除や洗濯といった家事の部類の作業をし始めた。
ベットに座ったまま、つぶさに吸血鬼が動き回る様を見ながらAはこういった仕事をする者も居るのかと変に感心する。
ほとんどの時間をルクと過ごすAはあまり考えていなかったが、ルクと外出したりウルドの部屋に長時間出向いた後は決まって部屋が片付いていたりしていたのは彼女のお陰だったらしい。
いそいそと洗濯物を部屋から運び出す彼女を視線だけで見送ると、少しだけ手持ち無沙汰なのが気になって読みかけの本を手に取った。
「あの…気に障ったら申し訳ありません」
本に集中している間にこの部屋へ戻ってきていたらしい吸血鬼はわざわざベットへ座るAのために膝を折って視線を合わせてきた。
本に栞を挟んで応じる。
「胸を支える下着を着けていらっしゃいますか」
ピシリと固まるAに全てを察したらしい女の吸血鬼は、あぁ…やはりと呟いた。
そこから彼女の動きは恐ろしく早かった。
どうやら日頃からAに違和感を感じてはいたらしく、多少の準備はしていたのだという。
手早く数種類のサイズを用意し、脱衣場へとAを連れ立った。
しばらくあれでもない、これでもないと着せられては脱がされを繰り返し、やっとぴったりの物を見つけることができた。
鏡で自分の姿を見ながらも、こんなに便利な物があるなら早く知りたかったとAは思ったが、ずっとルクについて回っていたのだ。
知らなくとも無理はなかった。
おまけに外部との交流も積極的にしてこなかったAだ。
同性の知り合いと呼べるような気兼ねない知人も皆無だった。
これでは知る術もないだろう。
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こんぺいとう(プロフ) - RiAさん» ありがとうございますー！この頃更新が遅くなって日付を跨ぐこともしばしばですが１日１更新は必ず守っていきますので、どうぞよろしくお願いします♪ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - こんぺいとう様の作品全部大好きです(＞＜)ずっと応援してます！更新楽しみにしてます！ (2020年10月1日 11時) (レス) id: 5404c24946 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - ありがとうございます！ちょっぴり切なくてシリアスですが、今後もお付き合いくださいー！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - ストーリー凝っててすきです…応援してます (2020年9月30日 19時) (レス) id: b8745ce36d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月24日 22時
