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「おはよー飯、できてるぞ」
Aが寝起きで意識をフワフワとさせている最中、ルクは一式が用意してある机を指差した。
少しだけ面食らったかのように目を丸くした彼女が一度だけ目を擦る。
そして裸足のままベットから足を下ろすとそのまま食事が用意してあるローテーブルに歩みより、柔らかなソファに腰を落ち着けた。
あれほど裸足で歩くなと普段から言い聞かせているのにも関わらず、彼女は室内で靴を履くというのに抵抗があるらしく、なかなか習慣付けるのは難しい。
見かねたルクがベット下に置いていた彼女のための室内履きの靴を足元に置く。
この靴はあまり室内で靴を履きたがらないAのため、ルクが用意させた少しラフな物だ。
「ほら、履け。足が汚れるぞ」
「…いやだ」
「わがまま言うな」
「………」
彼女が機嫌の悪い理由は何となくわかる。
昨日の事だ。
その事を理解してルクは素直に謝る。
きっと彼女も何かを感じ取っているのだろう。
ルクは昨日、一日を通してAとまともに口をきかなかったほど自身のことで精一杯で彼女の事を放置していた。
Aの気持ちが全て理解できないにしても、それはあまりにも身勝手で酷い仕打ちだ。
そう思う。
靴を履かせようと跪いた姿勢のまま、きちんとAを見上げた。
しばらくすると誠意が伝わったのか少しふて腐れた様子であることに変わりはないが、ルクの言葉に耳を傾ける姿勢になった。
「ルクの馬鹿…」
「……」
「ばか……」
「ごめん」
「一日中まともに話聞いてくれなくて、また独りにされるかと思った」
「ごめんな…A」
Aは常に独りになることを嫌がっていた。
サングィネムに居た頃は子供のグループで動いていたものの、常に疎外感を感じていた彼女の心は一人で寂しさに喘いでいた。
そこに突然現れた吸血鬼であるルクが息の詰まる地下から救い出し、Aの感じる孤独を埋め、やっとその孤独を忘れようとしていたのに。
また死ぬより怖いものを思い出させてしまった。
「もうどこにもいかないで。独りなんて嫌だ」
Aが両手を伸ばすと彼は迷わずその手を取った。
ソファから落ちそうな体制になってでもルクにしがみつこうとするAは必死だった。
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こんぺいとう(プロフ) - RiAさん» ありがとうございますー！この頃更新が遅くなって日付を跨ぐこともしばしばですが１日１更新は必ず守っていきますので、どうぞよろしくお願いします♪ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
RiA(プロフ) - こんぺいとう様の作品全部大好きです(＞＜)ずっと応援してます！更新楽しみにしてます！ (2020年10月1日 11時) (レス) id: 5404c24946 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - ありがとうございます！ちょっぴり切なくてシリアスですが、今後もお付き合いくださいー！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - ストーリー凝っててすきです…応援してます (2020年9月30日 19時) (レス) id: b8745ce36d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月24日 22時
