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猫なで声で甘えてみれば、少し希望の光を取り戻した彼女は震えた声でもらす。
「何を見たって、好きで居てくれる……？」
「え、……そりゃあ好きでいるけど」
「なら……。私の顔が変わっても？」
ゆっくり振り向いた彼女の顔がスマホのライトで照らされる。
確か俺は5歳年下の女の子と付き合っていたはずだけど。
これは、あれだ。
夏によく見るホラーシーンであるあるの展開だ。
「ヒェッ…」
テレビつけた時に丁度そのシーンで、リモコンの電源ボタンを速攻押した俺にとってそれは耐えられないもの。
一度短い息を引いて、明かりを求めに壁まで逃げ込み、電気のボタンを押す。
「やだなァ、そらるん。怖がらないでよ」
「無理無理ムリムリ…！」
電気を付けても先程と変わらない彼女の顔。勘違いであって欲しかったその顔はシワばかりが目立つヨボヨボのおばあさん。
それも少しグロテスクで凹凸が立体的に表現されてあり、目ん玉が今にも飛び出しそう。
「なんで？好きで居てくれるって言ったのに嘘なの？」
「無理無理ムリムリ……！！なんでそんなことになったの…！」
「えー？そらるんの愛がほしいだけですけどー」
視界に入らないように、リビングの方へ戻りつつ自然光を部屋の中に入れるべくカーテンを開ける。
だんだんと落ち着いてきた思考の中、昨晩の彼女の言葉を思い出した。
『明日楽しみにしててね』と言った彼女の言葉。
いや、全然楽しみじゃないし、ホラーなんて聞いてない…！というか、先に予告が来てたのに予想を超えてくるイタズラはやめて欲しいんだけど。
「もー。ちゃんと見てほしいんだけど。特殊メイクに5時間かけたんだよ？」
「なんでそんなに体張るわけ…」
普段コスプレイヤーの女王様なんて呼ばれている彼女がわざわざプライベートでここまでするとは誰も思っていない。
見た時冷や汗が凄かったんですけど。
もはやトラウマレベルだったんだけど。
「えー？楽しいから？」
「だよね。聞いた俺が馬鹿でした」
「もー、ごめんってちゃんとご飯も作ってるからご飯にしましょー？」
なんて言いながら楽しそうに食事の準備をする彼女。随分楽しそうなのは良いことなのですが、せめてメイクを落として欲しいんですけど。
「ん？何、そらるん」
「いや、声と顔がミスマッチすぎる」
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sera(プロフ) - 冬芽さん» 代表で主催の私が返信させて頂きます。読んで下さっただけでなくコメントまでありがとうございます！ぜひ気になった作者様の作品を読みにいってみてください…！ (2019年4月1日 19時) (
レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
冬芽(プロフ) - どのお話も素敵でした。楽しんでサクサクと読ませていただきました。素晴らしいコラボをありがとうございました。 (2019年4月1日 11時) (レス) id: 781e1744d9 (このIDを非表示/違反報告)
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