私は双子の兄達が嫌いです【アイナナ】

1.九条天 ページ2

デビューから有名な雑誌の表紙を飾ったモデル、A
ツクモプロダクションの顔だ

彼女はどんな衣装でも着こなし、その衣装はすぐに流行する
奇抜な服やセクシーな衣装ももちろん着こなしてしまうのだ

その活躍に加え、女優としても活動
圧倒的な演技力で視聴者を魅了し、彼女をモデルでなく女優だと思っている人も多いだろう

現在彼女は18歳の高校三年生
今後の活躍に期待したいところだ


A「…大袈裟すぎ」


私の特集が載っていた雑誌を投げ捨て、楽屋のソファに腰を掛けた
それと同時に、楽屋の扉がｺﾝｺﾝｯと鳴る
扉の向こうにいる人はわかっているが


A「どうぞ」


ｶﾞﾁｬｯと扉が開くと、彼らが入ってきた


天「Aさん、お疲れ様です」

楽「本日、一緒に撮影させていただくTRIGGERです。よろしくお願いします」

龍之介「よろしくお願いします！」


そう、TRIGGERだ
芸歴的に私のほうが上だから挨拶に来たようだ
ちなみに、今日はTRIGGERとのCM撮影だ


A「よろしくお願いします、いい撮影にしましょうね」


私は、営業スマイルでほほ笑んだ
TRIGGERは八乙女プロダクションの顔とも呼べるグループ
表面上だけでも関係を…ね


天「はい、それでは失礼します」


天にぃがほほ笑む
私情を見せずにほほ笑むところを見ると、さすが天にぃだと思う


TRIGGERが帰ると、私は机にあった空のペットボトルを力任せにゴミ箱へ投げた


A「TRIGGER…」


天にぃが家族を捨ててまでなったアイドル
しかし、TRIGGERは事務所のバックアップを得て華々しくデビュー
とにかく事務所の力が大きい

彼らはアイドルとしての才能はあるのはわかるが
私は何か気に食わなかった
単純に天にぃがいるからかもしれないけど…




CM撮影は予定よりもかなりはやく終了した


スタッフ「お疲れ様でした！」


A「お疲れ様でした。TRIGGERの皆さんも、お疲れ様でした」


もちろんにっこり営業スマイルを忘れない


天「お疲れ様でした」


すると天にぃは私のところまで歩いてきて小声で言った


天「今日の撮影、久しぶりに一緒に入れて嬉しかったよ」


アイドルでなく、兄として話しかけてきた


A「本来は、ずっと一緒のはずでしたけどね」


そう言うと、困ったような顔をして天にぃは去っていった
そんな顔をするならなんで…


そんなことを思いつつ楽屋に戻ると、ラビチャが届いていた
もう一人の兄、陸にぃからだ


陸『俺、アイドルになる！』


………は？

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