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赤いお魚のお兄さん1-1 ページ21

久しぶりの休みで家で珍しくまったりしていたら、携帯が鳴る。表示を見れば弟。

「もしもし?どうした?」

『あ、兄貴?今から家来れる?』

「特に予定もないから構わないが」

『じゃあ待ってるな!』

また何か大掛かりな企画でもやるのだろうか?必要な物だけ手に取り弟の家へと向かう。

「あ、早かったね」

弟に手を引かれながらリビングに移動すれば、知らない女性がソファーに座っていた。

「あ、こんにちは」

「えっと、どなた?」

「今度コラボするYouTuberの來珱さん。基本歌い手なんだけど、ゲーム実況もしてるんだよ」

「來珱です。兄クロードさんですよね」

少しだけ低い声と、ほんのり香る花の匂いに、俺は不覚にも一目惚れしてしまった。

「あ、兄クロードです」

横で弟がニヤニヤしながら肘でつついてくる。

「ストレッチの話しててさ、せっかくだからプロに見てもらおうってなったんだよ」

「身体が硬くなると、声の出方が変わってくるので…無理を言ってすみません」

申し訳なさそうに眉を下げる來珱に、慌てて手を振りながら

「いえ、今日は暇だったので」

シルクの筋トレも見てやる事もあるし、トレーナーとして少しでも役に立てればと思い話を聞いていく。

「成程〜。肩だけやってもダメなんですね」

「背中と繋がってるので、やるなら根元からやらないとですね」

「学生時代はもっと柔らかかったのに、最近硬くなっちゃって」

「よければ少し見ましょうか?」

自分でも驚く程にスムーズに出てきた言葉に思わず口を手でおさえる。

「あ、すみません…」

「いいんですか?!」

「え?」

「実は肩触られるの苦手で…プロの方ならもしかしたら大丈夫かなって」

「くすぐったかったり、不快感があれば言ってください」

後ろに回り、肩に手を置く。ゆっくりと確認する様に触れば少しだけピクっと反応する。

「大丈夫ですか?」

「ちょっとくすぐったいけど、大丈夫です」

「続けますね」

肩甲骨の辺りを触れば確かに少し硬い。このままの体勢だとやりづらいので、うつ伏せになってもらった。







続きます

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作者名:天紅 | 作成日時:2022年4月26日 11時

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