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赤いお魚さん5 ページ20

「A!これ着てくれ」

「絶対に嫌!」

「1回でいいから!」

「ふざけんなし!1回でも嫌だわ!」

赤いチャイナドレスを手に持ち、ジリジリと近づいてくるシルクに嫌悪感満載で睨みつける年上の恋人。

「絶対に似合うから!」

「似合ってたまるか!」

「お願い!1回でいいんだ…ダメか?」

( ´・ω・`)としながら見つめるシルクに、罪悪感が芽生えてしまったAは、ため息をつくと手を伸ばす。

「今回だけだから!後、写真撮らないでよ」

「ありがとう!」

ニコニコしながらチャイナドレスを渡してくるシルクから受け取ると、脱衣所で着替える。

「短っ?!あの野郎…後で覚えときなさいよ」

着替え終わって鏡で確認して、リビングへと戻る。ソファーに座りソワソワしていたシルクはドアが開くと同時に立ち上がる。

「短いんだけど…」

「それはAの方が身長高いから仕方ないだろ」

「後、胸がキツい」

「めちゃめちゃ似合ってる」

「スルーかい。満足したでしょ?着替えてくる」

「まだダメ!」

ソファーに移動し、座ると自分の膝を叩くシルクに顔を引き攣らせるA

「膝に乗れって言うんじゃ…」

「お、当たり。終わったら着替えていいからさ」

「マジで後で覚えときなさいよ」

恐る恐る膝の上に乗るAの腰に手を伸ばしギュッと抱きしめればビクッと反応する。

「やべぇ、誰にも見せたくない」

「見られたら、羞恥で死ぬわよ」

「色気半端ないな」

「人の話聞かなすぎじゃない?」

「いい匂いするし、抱き心地いいし」

「おーい?シルクさーん?」

スリスリと擦り寄ってくるシルクに遠い目をしながら、ペシペシと軽く頭を叩くも効果なし。

「もういいでしょ?降りるよ」

「A…」

熱い吐息が首にかかり、嫌な予感が頭をよぎる。急いで退こうとしたが一歩遅かった。

「シルク、ちょっと落ち着こうか?」

「落ち着いてる。色気ありすぎるAが悪い」

「そう思ってるのはシルクだけだってば」

「写真ダメって言われたからな。目に焼きつけるわ」

ヒョイっと抱きかかえられて、寝室へ向かうシルクに暴れるも優しくベッドに降ろされれば諦めるしかない。

「手加減してよ?」

「難しいなw努力はする」





次の日ベッドから起き上がれなくなったAの機嫌を一生懸命とろうとするシルクの姿に察したメンバーがAに心の中で同情した。

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作者名:天紅 | 作成日時:2022年4月26日 11時

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