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「俺ね、伊野ちゃんにああ言われたの初めてで……って、そりゃあそうだよね」

「ふふ。でも良かったね」

「結局、俺は初めて伊野ちゃんに出会った時から今までずっと守られてきたんだね」

「それが、伊野ちゃんの優しさだったんだね。きっと」




裕翔くんがごちそうさまでした!と空になったカップを置く。
猫舌の私は冷ましながら少しずつ口へと運ぶ。




「落ち着いたら、改めて初詣に行こうか。きっと、やまも知念も行くと思うから」

「そうだね。まだ初詣は済んでなかったね」

「Aちゃんの世界でも、初詣はあるの?」

「うん!お正月は同じじゃないかな?って言っても、雪が積もることは滅多にないんだけどね」

「え?そうなの?だったら新鮮なんじゃない?蓮華街はしょっちゅう積もるから」



確かに、ずっと雪だったね。
そう言って笑って、私もお茶を飲み終える。



「うん、身体が温まった気がする!」

「それは良かった。じゃあ俺、片付けてくるね」

「だったら私も行くよ。山田さんにお礼言わなきゃ」

「なら、一緒に行こうか」



そう言って立ち上がって部屋を出る。
廊下はひんやりと寒く、温まった身体が冷えてしまいそうだった。


柊華一門の屋敷も相当広かったけど、裕翔くんの家だって広い。
私が借りた部屋みたいに、使われていない部屋もいくつかあるみたいだし……。



台所に着くと、ご飯を用意している山田さんと、珍しい姿があった。



「え、大ちゃん?」

「Aちゃん!あけましておめでとう」

「あっ……あけましておめでとう……じゃなくて、何でここに?」

「あれ、言わなかったっけ?」



裕翔くんがコップを流しへと移しながらこちらを振り返る。



「新年の挨拶と庭の手入れの依頼で来たんだよ」

「そうだったんだ…!新年早々お仕事なんて、大変だね」

「まあ、あやかしに正月はあまり関係ない行事だからね」

「そっか……あ!山田さん、お茶ごちそうさまでした!」

「どういたしまして。少しは温まった?」

「はい!ありがとうございます。あの、私も何か手伝いましょうか?」

「気にしないで。好きでやってることだからね。それよりも、あの部屋寒いでしょう?しばらくここに居たら?」



そうします、と言いかけたその瞬間。
大ちゃんが急に勢いよく振り返る。
そしてその方向には扉。



「……伊野ちゃん?」



大ちゃんの謎の問いかけに、その場にいた全員が反応する。

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作者名:天凪 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月2日 23時

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