第八話 ページ9
「虻川さん、女の子泣かせちゃだめですよ。
Aさん、これ食べて元気だして下さい。」
「な、泣かせてないからね？！」
『どうして私の名前を…？』
私は不思議に思い聞いてみた。
会話はそんな大きな声でしていなかったし聞こえていないはず…
「よくこの人から話を聞いているので。では、ちゃんと食べて下さいね。」
そう言って彼は戻っていく。
先輩の方を見ると顔が赤く染まっていた。
「なんでもないから気にしないで。
じゃあ食べてて、俺津和君とちょっと話してくるね。」
そう言うと先輩はいってしまった。
私は初めて見る料理を口に運ぶ。
とても美味しくて夢中になって食べてしまった
「アブさん、あの子が好きなのでしょう？
いいんですか、セピアさんとくっつけようとしちゃって。」
「いいんです〜。セピアさんもずっと前から気のなってた子だしさ、お似合いでしょ？こんな俺なんかより…」
「アブさん、俺は二人共応援してますので。貴方なりに答えを出して頑張って下さいね。」
「…ありがとう。つわはす君」
少しして先輩が戻ってきた。先輩は私を見るなり食べるの早いねと笑う。
「よし、じゃあ会社に戻ろっか！
それともデザートでも食べたい？美味しいお店に連れて行ってあげるよ。」
『行きたいんですけど…「俺が奢ってあげるから遠慮しないで！はい、行きますよ〜。」
先輩はお会計をもう済ませているようで、私の手を引っ張って店を出る。
「「あ…。」」
店に着くとこの前会った友人さんがいた。
「いやぁタイミング良いね〜。瀬乃さん？」
「そうですね虻川さん。」
『あ、あの…先輩？』
よく分からないけど苗字呼びをしてニコニコしている二人を見て不審に思った。
「ここのジェラート美味しいんだよ〜。
好きな味選んでおいてね。」
そう言って先輩達は少し離れて話している。
私はベリー系にした。
「なんでアブさんは手を繋いでいたんですか！？ずるいですよ！」
「最近セピアさんの為に色々頑張ってたから、無理やり連れてきただけ。」
「え、俺の為？」
「俺とライブ行くからさ、手を振ってあげてね。それかスティックの1本くらいあげちゃってよ。じゃ、俺はAちゃんの元に戻りまーす。」
「お、俺も一緒に食べます！」
なんかあったみたいで三人で食べる事になった
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作者名：らひらひ | 作成日時：2017年8月13日 15時
