【実況者】憧れのあの人【セピア】 (ページ31)

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第三十話ページ31

次の日、私達は街をぶらぶらする事にした
あんまり旅行をしない私は結構テンションが上がっていた

『先輩、あれ可愛いです！』

私は猫のぬいぐるみを指差す
先輩はそのぬいぐるみを撫で始めた

「猫が好きだなんて、彼氏さんそっくりですね〜。付き合い始めると好きなものまで似ちゃうんだね」

『猫は元々好きですよ…実家で飼っていますし』

すると先輩はそっかそっかと言ってぬいぐるみから手を離した

その後、お洒落な和食レストランに入って昼食をとった
私は料理の写真をセピアさんに送った
先輩がやたら入りたがっていたので手だけ入れてあげました

「そろそろホテルに戻ろうか」

『そうですね』

私は両手にお土産を持ってホテルへ戻る
外は太陽が沈んで暗くなっている
先輩とお土産を探したり、美味しいものを食べたりして楽しかったな…

セピアさんからの返信を見てみると、思わずえっと声に出してしまった

「どうしたのAちゃん」

『い、いえ。なんでもないです』

セピアさんの家で実況者さんが集まって飲んでいるらしい。そこには女性の姿があった

「あ〜この子は実況者だね。イベントで数回見たことあるよ」

『ちょっ先輩！？何勝手に見てるんですか！』

モヤモヤした気持ちを消すために私はシャワーを浴びる事にした
でも、やっぱりあの女性とセピアさんの事を考えてしまう

部屋に戻ると、先輩がテーブルに袋を置いていた。中身を聞いてみると見てみなと言われた
中にはお酒が入っていた

「俺らも飲もっか」

いつもだったら遠慮するが、あの事を忘れたいと思いお酒を手に取った

『うぅ…セピアさんとあの方に何かあったら私泣いちゃいますよ…』

「そうだねぇ…でも彼はそういう人じゃない事知っているでしょ？」

そう、彼はいつでも真面目で優しい人だ
彼が私に送った理由はモヤモヤさせる為じゃなくて楽しんでいる事を伝えたかったのだろう

そう考えると気持ちがすごく楽になった

気持ちが晴れて安心した私は、いつの間にか眠ってしまった

「俺はセピアさんみたいに優しくないから手は出せるんだよ、Aちゃん。」