【実況者】憧れのあの人【セピア】 (ページ21)

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第二十話ページ21

セピアさんの隣に座ってリモコンを持つ。
前からやりたいと思っていたこのゲームをセピアさんと出来るとは思っていなかった。

「操作方法はだいたいわかるかな？」

『うん、大丈夫だよ。』

「了解。なんか女子とゲームだなんて新鮮だな〜。いっつもむさ苦しい男子とばっかだからね〜。」

セピアさんは笑いながら言う。私も男子とゲームだなんて社会人になってから一度も無いのでとても新鮮である。

ゲームが始まるとセピアさんは流石実況者だなというプレイをする。
私はテ○リスでセピアさんはぷよぷ○。
左側から連鎖の音が聞こえてくる…私は急いで5列消す。

結果私が負けた。セピアさんは余裕そうだ。

この後4試合したが、私は1試合しか勝てなかった。違うゲームを選んで遊ぶ。
協力ゲームなので頑張ろうと思った。

『あああああ！なんでそこで落ちるの！』

『もう少し跳んでよ！足腰弱いのかい！』

私の発言に笑うセピアさん。

「実況者になれるよそのリアクションなら。」

時計を見てみると、16時になっていた。
私達は一度ゲームをやめて、リビングでくつろぐ事にした。

「面白かったね、ゲーム。また今度やろっか!」

『楽しみにしておくね。』

ソファに座って色んな話をする。
仕事の話だとか、趣味の話など…

「アブさんってどんな感じ？
なんか全然イメージわかないんだよね〜。」

『仕事が早くて、いつでも優しい先輩だよ。とても憧れているんだ。』

セピアさんはそっかそっかと、笑いながら聞いてくれた。

「その憧れは…恋心ではない？」

セピアさんは真剣な顔で聞いてくるので私は少し戸惑った。

『好きという感情はあるけど、それは恋心ではないと思う。』

「なるほどね。じゃあさ、俺の事はどう思ってる…？」

二人の距離が近づく。セピアさんの手が太ももの横に置かれて顔が私の顔の目の前に来る。
ぱっちり二重の目に見つめられて私はつい顔をそらしてしまう。

『私は…セピアさんの事は…』

次の言葉を言おうとした瞬間…

「セピアさぁぁぁん！お邪魔するよぉぉ！」

「あ、アブさん！いきなりは駄目ですって！」

「プレイボーール！お酒持って来たぞー！」

玄関がいきなり騒がしくなり、慌てて離れる。
顔の熱が引くのを必死で待った。

「あの、何いきなり入ってきてるんですか。」

セピアさんは玄関まで行き、入ってきた三人に呆れたように言う。

覗いてみると、先輩とつわはすさん、コジマさんがいた。