【実況者】憧れのあの人【セピア】 (ページ19)

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第十八話ページ19

一週間後の朝、私はいつも通り準備をしていた
ある物をカバンに入れて会社に向かう。

『おはようございます、先輩。』

「おはよう、Aちゃん。」

あれから何事もなかったかのように話せて私はホッとしている。

『あの、先輩…これ受け取ってくれますかね。』

私は先輩に黄色の小さな袋を渡す。
先輩は不思議そうに見て袋を開ける。

「え、これって…」

袋から出てきたのは柴犬のストラップ。
私はセピアさんとの生放送を聞いて、一生懸命作っていたのだ。

セピアさんと会った日にアブさんに渡してほしいと頼もうとしたけど、先輩だって知って直接渡そうと思った。

「ありがとう‥大切にするよ。」

『これからも応援していますよ、アブさん。』

私はそう言って机に向かう。
喜んでもらえて嬉しくなった。

昼休み、私は先輩にいつものところに連れて行かれる。

「つわはす君、やっほー。」

『え、え？！つわはすさん…！？』

「ア…アブさん？！なんで言っちゃうんですか！」

彼がつわはすさんだという事は予想外で店内で大きな声を出してしまった。
取り敢えず、心を落ち着かせる。なんか好きな実況者さんばっか会うなぁ…

「これで残りはコジマさんだけになったね。」

先輩はチームの皆さんをコンプリートさせたいんですか…

「アブさん、言うんだったら事前に教えて下さいよ〜。焦ったんですけど。」

「ごめんごめん。あの、この子がセピアさんにストラップあげてた子だよ。」

『一体どこまで広まってるんですか…』

色んな方に知られていると言われて、とても恥ずかしくなった。

食べ終わり、セピアさんとのトーク画面を開く
LIMEを交換して以来毎日話している。
お互い仕事をしているので少ししか話せていないけど。

Aつわはすさんに会っちゃった!

送るとすぐに既読がついた。きっとあっちも昼休みなのだろう。

セピアそうなんだ。どうだった?

感想を述べてあとはコジマさんだけという事を伝えるとコンプリート頑張ってと返ってきた。

セピア今度の土曜日、俺の家に来ない?

一瞬見間違えたと思った。
セピアさんの家に行けるの…？！
私は予定を確認し、空いていたので大丈夫と送る。

「へー、セピアさんの家の行くんだ。」

『わ！ちょ…先輩、見ないで下さい。』

先輩が後ろから低い声で呟いた。

「ま、楽しんできてね。」