＊この世で最も美しく、哀しくない話part５＊ (ページ10)

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新しい勤務先･･･探さなきゃ･･･。

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皮肉なことに、正三さんの店のそばの大きなドラッグストアにも

薬剤師募集の貼紙がしてあったし。

他にも徒歩圏内にいくつかの調剤薬局がある。

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探さなきゃ、と思うのに、心と身体が重い。

急激な変化に頭がぼぅ･･･としていて追いついていかない。

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あの穏やかなのんびりした職場がなくなった。

そして和也も、いなくなる。

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動かなきゃ、と思うのに、心が、身体が、動かない。

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今夜もぼぅ･･･とお風呂に浸かっていた。

明日は正三さんの所に行って溜まった洗濯物を預かってこよう･･･

お店の片付けも始めなきゃ･･･

鈍くしか動かない頭をポチャン･･･と湯船に沈めた。

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･･･････凹む、って駄目だなぁ･････。

ブクブクと口と鼻から空気が漏れる。

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駄目だなぁ。

ああ、駄目だ。

平気だなんてさらさら思えないのは分かっているけれど、落ち込むと雅紀のことも思い出す。

笑えていたことも笑えない。

世界は真っ暗だ、なんて思う。

２０年以上生きてきてるから、自分は凹んだ時はただただこの波が過ぎ去るのを待つのが

一番いい回復法だと知ってるし･････そう、分かってる。私が落ち込んだって

悩んだって凹んだって･･･仕方ないんだよねぇ･･･。

分かってるんだけどねぇ････。

ブクブクブクブク･････････････。

あ、そろそろ息が限界だわ。

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よし。元気出す為にも勢いよく顔を湯船から上げてみよう。

フッハーー！ってね。病は気から！元気だそう、私。うん！