＊この世で最も美しく、哀しくない話part５＊ (ページ2)

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しょうもない言い争いをしながらも

ご飯を食べて、お酒を飲んで、休みがあえば一緒に出掛けて。

そんな暮らしに慣れてしまっていたので。

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久しぶりに家に遊びに来た翔くんに、

真顔で「A。･････お前、いったいどうするんだ」と聞かれるまで

私はボーーーっとしていた。

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大きな仕事が終わったからようやく時間が作れる。

今夜、飯でもどう？

と朝かかってきた翔くんからの電話に、さっわやかぁ～と思いながら「いーよ～♪」と

返事をしていると、歯磨きしている和也が後ろで「俺も会いたい！イケメンに会いたい！」

とフガフガ言ったので。

A「和也も翔くんに会いたいって～。あ、うちに来る？うちで飲もうよ」

なんて言った自分の違和感に、自分では全く気付いていなかった。

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仕事帰りの翔くんはグレーのスーツに薄いピンクのシャツ。

和「櫻井くん、イケメンビール飲む？」

翔「････普通のビールでいいよ」

A「翔くん、イケメン枝豆食べる？」

翔「････普通の枝豆でいいよ」

和「櫻井くん、イケメンチューハイ飲む？」

翔「いや･･･ビール飲んでるし･･･」

A「翔くん、返事はイケメン☆でいいよ」

翔「いや･･･それ、返事になってねぇし･･･」

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酔っ払いの私と和也は散々翔くんをイジリ倒して笑っていた。

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翔くんが「ちょっと話があるんだけど！」とドン！とイケメンビールを置いた時。

和也は私の鼻の穴に枝豆を入れようとしていたし。

私は和也の前髪を掴もうとしていた。

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翔「････どうなってんの？」

翔くんが真面目な顔で私と和也を交互に見る。

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窓に吊るされた風鈴がチリリン、と鳴った。