＊この世で最も美しく、哀しくない話part４＊ (ページ6)

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私はそのまま、和也に引っ張られるように家に入った。

チヅルさんを振り向こうとしたけれど「見るな」和也に短く言われ、

その言葉に頷くように、目を瞑って和也の腕に引っ張られた。

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いつも通り、たいして綺麗でもない、片付いてもいない居間に

ヘナヘナと座り込んだ。

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走ったわけでもないのに、全身に汗が滲み、全身が、重かった。

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大きく息を吐く。

怖かった。･･････自分が。

和也に止められなかったら、私は何を口走っていたんだろう。

勢いに任せて憎しみを叫び、きっとその言葉は、自分をも切りつけたんだろう････････。

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A「･･････ありがとう････････」

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私がポツリと言った言葉に、和也は返事をしなかった。

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冷蔵庫を開けてビールを取る和也の背中を見つめる。

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･･････････････キス、された、ね？

口を塞ぐ為･･････だね。ウン。････不可抗力、ってやつ？っちゃー、やつ、だ。ね？

抱き締め･･･られたけど？ウン、それもね、ホラ、私を止めた、ってやつ？

止めたヤーーツーーー、だよね。ウンウン。

･･･････････････。

･･･････････気のせい、かな？

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俺は･･････愛しちゃってるとかなんちゃらかんちゃら･･･。

いや、嘘です。

全部覚えてる。

『俺は愛しちゃってますからね、この子を』

言った。･･････この人、言った。

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え？････ウッソだぁ～。なに？オチは？オチがあるに決まってる。

･･････え？ええっ？えーーーーーーーーっ･･･？

あれ？アレレ？嘘、どうしよう。え？あそこでビール飲んでる人が？私を？好き？

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和也を見ていると、立ったままビールを飲んでいる和也と、目があった。

A「！！！」

和「んだよ、見んなや。減るだろうが」

A「！ん！あっ････うん････」

しどろもどろな返事をした私を、和也が怪訝な顔で見る。

和「んだよ。･････あ、さっきも言ったけど俺、お前と別れないからな」

A「ウヘィ！？」

和「なんだその返事」

和也が「ホラ」とカバンから、何かを出した。