＊この世で最も美しく、哀しくない話part４＊ (ページ22)

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和「久しぶり」

和也がニッコリと笑い･･･

今の「腐れ外道のキッスＤＥラブラブ大作戦」をモロに見たであろう和也のお父さんが

「お・う･･･」と焦った声を出した。

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和也のお父さんは････ダンディー！ダンディー！ダンディー！

うちのお父さんとは全然違う。

「初めまして、和也の父です」

そう微笑んで頭を下げたお父さんは、もう１回言っちゃうけどダンディー！

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整った顔立ち、セットされた髪、上質なスーツ･･･

ダンディ！ゲッツ！！

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A「あ！あ、初めまして！Aです！」

緊張して勢いよく頭を下げたら、髪に刺さっていた簪がスポンと取れて

コロコロと机の上を転がっていった。

和「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ？A」

ヒィー！なにその笑顔！なにその台詞！あんた誰！？

思わずそう言いそうになったけれど、和也は簪を「そこ、頭皮ですけど！」な場所に

グリグリと刺したので。

あぁやっぱり腐れ外道でいらっしゃる････と言葉を飲み込んだ。

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和「で。こちらは月子さん」

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和也がそう紹介したのは、お父さんの横で微笑む････。

細く白い首筋。透明な肌。

凛としているのにどこか儚げで。それでいて艶やかで。

お袋とか、母さんとか、言わない理由は、その女性を見てすぐに分かった。

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お父さんの横で、薄紫の着物を着て頭を下げたその人は

まだ４０歳にもなってないだろう。

和也の母親、というより姉にしか到底見えない。

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和「親父の再婚相手、ね」

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和也がサラリと言う。

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和「義母さん、なんて言えないデショ、こんなに綺麗な人に」

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和也が笑って、月子さんは少し困ったように微笑んだ。