＊この世で最も美しく、哀しくない話part２＊ (ページ16)

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腐れ外道は翌朝、本当に「時給３０００円で換算して請求します」と

３００００円の請求書。とチラシの裏にボールペンで書いて渡してきた。

１０時間お前と寝た記憶はねーよ！

つーか時給高いわ！とそのチラシをぐしゃぐしゃに丸めて投げ返してやった。

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和「この････腐れ外道が！」

A「その言葉、まるっとそのまま返してやる！」

和「よーし、返されたその言葉をまた返してやる！」

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いい歳した大人が朝からギャーギャーと騒ぎ･････

きっと、１人だったら私は朝の光が辛すぎて起きあがれなかった。

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･･････でも、ありがとう。なんて言わないけどね！！！

今までの経験上、この男に感謝なんてしないけどね！！！

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仕事先でも、どうにか笑えた。

正三さんとリンゴを食べながら、「暇ですね」と笑い、正三さんが

「ちょっと三丁目のドラッグストアに昼飯買いに行ってくるわ」というのを見送った。

帰ってきた正三さんは「俺の店、しょぼいなー。ガリガリ君も売ってないしなぁ」と

ドラッグストアの袋からお菓子やら、ガリガリ君やら、カップラーメンやらを

出しながら笑い、私も笑った。

「誰もこんな小さな薬局に来ないよなー。店主の俺でも行かないもんなー」

そう笑う正三さんが、私は大好きだ。

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２年前。

はっきりとは言っていなかったけれど、学生時代から付き合っている彼氏と

そろそろ結婚する。というのは職場に伝わっていた。

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あきらかに寝不足で心身ともにグッタリした自分が

今まで以上にもっと使えなくなっていることも分かっていたし、

周囲の「････別れたのかな？」という視線が辛く、逃げるように辞表を出した。

甘い自分に吐き気がしたし、だけど立ち留まるだけの気力がなかった。

家族からも、友達からも、職場からも、全部から隠れたくて

苦しくて苦しくて、苦しかった。

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苦しい時にそばにいてくれた雅紀はもう、どこにもいないことが

苦しくて苦しくて、苦しかった。

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２年たった今でも、あの頃の絶望感を思い出すと鳥肌がたつ。

あそこから全然立ち直っていない自分にも。