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A「ひゃ！櫻井さん！？」
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黒いコート姿の櫻井さんが重いドアを開けて私を見てる。
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翔「今、誰か来なかったか？」
A「え？」
翔「下まで降りたんだけどなんか･･･嫌な予感がして･････昨日、A、変だった･･････し･･･････」
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・
話しながら、櫻井さんの声がどんどん小さくなってゆく。
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・
髪の隙間から見える耳が、赤い。
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翔「･････えーっと････なんでもない、ならいい･･････」
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あ。
さっきまでの大きく見開いた目が、何回も瞬きしてる。
あ。
唇、尖らせた。
人間のこういう直観ってなんていうんだっけ？第六感？
私のことを心配して、戻ってきてくれたんだ、ね？
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翔「･･････････････」
A「･･････････････」
私たちは玄関で立ったまま、見つめ合って。
翔「ふっ笑」
A「ふふっ笑」
同時に、笑った。
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A「ありがとうございます」
私は頭を下げる。
A「ちょっと。････ちょっとだけ。泣きたい気持ちだったから、嬉しいです」
素直に、そう言った。
素直に、言っておきたいと思った。
ああ。･･････やっぱり。櫻井さんといると、心がね、じんわりあったかくなる。
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櫻井さんがふ、と笑った。
翔「今日はもう、休み」
A「え？」
長い指が銀縁眼鏡を、取る。
パタンと眼鏡を閉じる櫻井さんの指を見つめていると「俺、結構お偉いさんだから笑。一日くらいどうにでもなるんです」
櫻井さんが笑った。
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カツ、と櫻井さんが靴を脱ぐ。
私の横をスタスタと歩いてゆく。
あ。やっぱり甘いいい匂い。
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数歩廊下を歩いた櫻井さんが、クルリと振り向いた。
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翔「着替えてくる」
A「え？」
翔「今日はゆっくり、過ごそう？」
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黒いコートのボタンは外されていて。
グレーのスーツ。白いシャツ。緩められたネクタイ。
あ、チーフがピンクで、綺麗。
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翔「おいで」
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・
櫻井さんがそう言って私に掌を差し出した。
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私は、その掌を、一瞬悩んで。でも、握った。
あ。また、甘い甘い、匂い。もうすぐ消える、甘い、哀しい、匂い。
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な(プロフ) - 何回読んでもほんとに大好きなお話です！ (2018年2月2日 16時) (
レス) id: 4a932a7616 (このIDを非表示/違反報告)
おれお。(プロフ) - 占ツクの小説の中で、これがいっちばん好きな作品です！！そこまで嵐が好きってことではないんですが(笑)、この櫻井くんだけはほんっとに大好きになってます！！もー大好きです(*´艸`) (2017年11月11日 13時) (レス) id: 7c15ab1247 (このIDを非表示/違反報告)
キナコ(プロフ) - 先程の続きになります。 実はもうファンを卒業してしまったのですが、ヲタ卒しても何度も来てしまいます。この作品は何度読んでも本当に飽きません。これからも何度も読みに来ると思います。長文失礼致しました。 (2016年3月21日 3時) (レス) id: 830f15669d (このIDを非表示/違反報告)
キナコ(プロフ) - このお話が大好き過ぎて読むのが今回４回目か、５回目でした笑 お菓子とキラキラと魔法と恋。女の子の大好きな物と、こんな風に愛されたいという女の子の希望が詰まった私の大好きな作品の一つです。 (2016年3月21日 3時) (レス) id: 830f15669d (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ(プロフ) - 作者お気に入り登録させていただきました！他の作品も読んだんですが、めちゃめちゃドツボでした(*^^*)これからも応援してます！ (2014年12月1日 21時) (レス) id: 429496ea68 (このIDを非表示/違反報告)
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