＊未来地図＊ (ページ4)

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A「潤こそ変わらないね。皆言ってたよ、かっこいい松本くんがそのままで良かったーって・笑」

潤がなんだよ、それ・と笑う。

バーテンダーお勧めの甘いカクテルは、甘いながらもかなり度数が強そうで

喉に甘く、苦く、深く染みた。

・

A「やっぱさ、今もモテるの？モテるよね？」

好奇心丸出しで聞く。

A「すごかったもんね、高校時代････。アイドルって潤の言葉だと思ったもん」

バレンタインは３学年の女子から大量に。

運動会では女子の声援が大量に。

まるでマンガのヒーローみたいな潤だった。

A「かっこいいって皆言ってたもんね」

・

潤がたいして興味なさそうに私を見る。

・

潤「かっこいいだなんて、お前は１度も俺に言わなかったじゃん」

・

A「いや････普通に顔がタイプじゃない・笑」

潤「オイ、お前、それは心の中で呟けよ！笑」

笑う潤を見て思い出す。

・

・

あの人もそうだった。

顔だってタイプじゃなくて、何も知らなくて、気付いたら恋に堕ちていた。

恋に堕ちたと知った時に知る。

奥さんも子供もいる人だ、って、知る。

・

それでもいいから、と彼に縋った自分が悲しくて、惨めで、

こんな私を潤が知ったらなんて言うんだろうな、とぼんやりと思った。