＊未来地図＊ (ページ14)

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A「･･････私、流されてる････？笑」

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笑うと、潤が笑う。

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潤「流されて俺のとこにこればいいじゃん？」

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･･････なによ。

自信家で、いつもかっこよくて、王子様で、ちょっと意地悪で

なのに、なんで今日はそんなに無防備な笑顔をするのよ･･･････。

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なんだかドキドキして、なんだか悔しくて、グラスをグルグルと指で触る。

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潤「同窓会まで企画した甲斐があったわ、俺・笑」

A「え？潤が企画したの？」

潤「そうだよ」

A「･････なによ･･･。私のこと大好きじゃん・笑」

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潤をちょっと意地悪な気持ちで見上げると、潤がニヤリ、と笑う。

･･･････やっぱり、王子様だ、この笑顔。

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潤「大好きだよ？」

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また唇が触れてきそうになって、私は自分のグラスでその唇を遮る。

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A「この先は別の場所でね」

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私のその言葉に、潤が一瞬驚いた顔をした後、ニッと笑った。

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潤「俺、明日仕事休みだから♪」

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････････「明日の朝早い」も嘘だったんかい。

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潤が「なにか？」というように私を見る。

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そんな済ました顔してさ･････私の手を握る潤の指が

とっても熱いから。

ふいに見せる瞳が甘いから。

･･････ドキドキしてしまうじゃない。

カウンターの下で、潤の指が私の指をぎゅう････と握って離さない。

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潤「･･･････離れんなよ？」

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その言葉にコクン、と頷くのはなんだか癪で。

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A「誕生日････おめでとう･･･････」

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とだけ告げる。

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潤「来年の８月３０日も、よろしく・笑」

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潤が微笑んで、指を握る力が少し強くなる。

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潤「この先の俺の誕生日･････一緒にいろよ？」

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自信満々の王子様(表面上は、ね)の繋ぐ指から

１０年以上の愛情とやらが伝わる気が、した。

ＥＮＤ