＊カルマの欠片たち＊ (ページ15)

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永遠の記憶＊松本潤＊２ページ15

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早歩きで歩きながら、苦いコーヒーを口に含む。

毎朝寄る、いきつけのカフェでテイクアウトしたコーヒー。

アイスコーヒーにしたことを少し後悔させる、冷たい秋風が吹く。

ガラス張りのビルの入り口で、社員証をかざす。

ピ。という高い音と、１日交代で立つ警備員の軽い会釈が、いつもの朝の風景。

潤「おはようございます」

俺はいつものように丁寧に挨拶をする。

「社長、おはようございます」

横に立つ美女。

才色兼備と人生で何度も言われてきたであろう女が、微笑む。

潤「おはよう」

エレベーターのボタンを押そうとすると、丁寧に彩られた長い爪が、ピ。と

俺の代わりにボタンを押した。

潤「ありがとう」

少し微笑んでそう答えると「いえ」と女が笑う。

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エレベーターが来る少しの時間。

女が「あの･･･失礼ですが、社長にはいらっしゃるのでしょうか･･･決められた･･･」

･････････何度も、何人にも、何世代にも渡って聞かれたこの言葉。

恋人はいますか？

結婚はしないんですか？

ピーン、と高い音を立ててエレベーターが着き、ドアが開く。

乗り込みながら答える。

潤「長年愛してる女性がいるので、他の誰にも興味はありません。･･････乗ります？」

開く。を押しながらそう聞くと、真っ青な顔をした女が「いえ････」とだけ短く答えた。

潤「そう。じゃあ」

俺は言いながら、閉。のボタンを押す。

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エレベーターの中は俺１人。

ハァ･･･とため息をついて、後ろを振り返る。

鏡になったエレベーターの一面に、眉をしかめる。

潤「････何の用だよ」

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黒いスーツに白いシャツ。

少し鏡に持たれて立つ男。

相変わらず何も変わらないこの男が、笑った。

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「お久しぶりです。･････相変わらず、女性に冷酷でいらっしゃる・笑」