＊カルマの欠片たち＊ (ページ13)

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白詰草-シロツメクサ-＊相葉雅紀＊６ページ13

和「通常ならワタクシ、このくらいごときで動かないのですが･････」

Aを抱き締めたまま、ニノミヤカズナリを睨む。

雅「･････このくらいごとき･････？」

俺のその言葉に、ニノミヤカズナリが笑った。

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和「絶望という言葉に終着点はございません」

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お話を続けましょう、と淡々と続ける。

和「ワタクシを見つけた相葉様。偶然なのか、必然なのか、とにかくとても珍しいことでして」

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和「面白くなりました♪刺激のない毎日を送っておりますのでね」

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和「お礼と言っては何ですが、ハイ♪」

ニノミヤカズナリがパチ、と右指を鳴らした。

雅「な････にを･････？」

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和「もう「彼」はこの世におりません」

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･････あいつが？あの男が････？もういない？

和「あなた方がこの先の未来とやらをどう生きるかは自由です」

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今度は左指をパチン、と鳴らす。

一瞬で闇が晴れ、俺とAはホームの喧騒の中に戻った。

目の前でニノミヤカズナリがパンツのポケットに手を入れて笑う。

和「憎む相手がいない世界をも残酷と言うのでしたら、この先はどうぞご自由に」

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和「恨みの連鎖を紡ぐのも、断ち切るのも、あなた方の自由です」

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男がネクタイをスル･･･と外す。

和「人は勝手なものです。愛ゆえに、と言えば全てを正当化出来る」

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俺はAの肩を抱いて、ニノミヤカズナリを見つめる。

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和「またそこから愛ゆえの憎しみを生むとも知らずに」

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男がネクタイを手に持ち、笑った。

和「では、失礼します。せいぜいお幸せに♪」

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ニノミヤカズナリの後ろ姿を呆然と見送りながら、

俺の肌に触れるAの熱い体温と息を感じる。

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切り刻まれた心から血を流しながら、愛しているAを

抱き締める。

俺たちは血を止める術を知らず、

ただ、抱き締める。

白詰草-シロツメクサ-＊相葉雅紀＊ END