＊カルマの欠片たち＊ (ページ12)

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白詰草-シロツメクサ-＊相葉雅紀＊５ページ12

「そんな言葉があるなら、A様があなたに告げていたでしょう」

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････････････！！

Aを見る。

･････････ダメだ。ダメだ。

･･･････････君にそんなことはさせられない。

君は、温かい道を、穏やかに、幸せに生きていって欲しい。

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男があざ笑うかのように言う。

「A様も、相葉様の未来が幸せであるように、だけを願っておられますが？」

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じゃあ、どうすれば？じゃあ、ミカコはどうなるんだ。

ミカコの未来を奪った人間に何の制裁も加えるなと？

ミカコを返せ。

ミカコの未来を返せ。

ミカコの笑顔を返せ。

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男がやれやれ、というように肩をすくめる。

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「相葉様。････････願って呪って、返ってくるものなんてこの世界にねぇんだよ」

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一気に乱暴になった言葉。

パ、と男の腕が俺の腕から離れる。

「残念ですが」

少しの笑い声。

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「それが、この世界です」

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俺は肩で大きく息をしながら男を見つめる。

･････なんだ？なんなんだ、この男･････････。

男はニッコリと笑った。

「二宮和也。･･････神とも、悪魔とも呼ばれますが････」

ニノミヤカズナリが、左手をパチ、と鳴らした瞬間、世界は闇になった。

雅「う、わ！」

A「キャ！」

闇の中に、ニノミヤカズナリと俺と、A。

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雅「A！！！！」

転がるように走り、Aを抱き締める。

雅「A！頼むから、やめてくれ････！」

Aの両頬を掌で挟み、瞳を見つめると、全てを理解したように

Aの整った顔がグシャグシャに歪み、大きな瞳から涙がボロボロと零れ落ちた。

首を何回も横に振る。

A「雅紀････雅紀･････雅紀････私が、やる････。雅紀は･･･雅紀は･･･そのままの雅紀でいて･･････」

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ああ。

胸の奥が焼ける。

俺とAは同じだ。同じ救いのない深い森の中で、息が出来ない。

憎しみと、愛に挟まれ、息が出来ない。