＊カルマの欠片たち＊ (ページ2)

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Capsule＊大野智＊１ページ2

近づいてくる夜明けを瞼に感じ、目を覚ます。

横に眠るAの寝息に耳を澄ます。

規則正しい寝息。

薄く目を開けると、まだ幼さの残る化粧気のない顔をしたAの寝顔。

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僕はその額にゆっくりキスをする。

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ん･････？僕の気配に気付いたのか、少しAの身体が動いた。

智「････いってきます」

そっと耳に囁く。

A「･･････もう行くの････？」

寝起きだからなのか、心の奥の色なのか、Aが小さくゆっくり聞き返すのを、「うん」とだけ答える。

A「次は、いつ？」

智「････どうだろ･･･でもなるべく毎日来るよ」

少し熱いAの手を握る。

A「お医者様は忙しいね･･･」

そう言いながらAは瞳を閉じる。

長い睫が頬に影を落とす。睫にキスをすると、少ししょっぱい涙の味がした。

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・

智「薬、飲みな。熱っぽいよ」

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幾つかの持病を抱えるAに、ベッドサイドのテーブルにいつも置いてある

ピルケースから青いカプセルを手渡す。

A「････ん････」

Aが口にその薬を含み、僕がミネラルウォーターを口に含み

Aにキスをしながら口移しして薬を飲ませる。

一緒にいる時の決まりごとの一つ。