＊キラキラ王子様＊ (ページ10)

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☆１０ページ10

クリスマス・イヴまであと２日。

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私は自分の部屋でコッソリと編み物をしてる。

お母さんは大得意だけど、私はこの歳になって初めての挑戦だ。

深い緑の毛糸。

畳の上に広げた編み物の本には「初心者でも簡単・手編みマフラー」の文字。

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A「････なーにが簡単なのよ･････！」

何度目か分からない直しをしながら、思わず文句が口から出た。

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A「･･･あぁ、もうっ！･･･肩凝った･･････」

慣れない動きをしていたからか、肩がずっしりと重い。

湿布･･･湿布････私はそっと部屋の襖を開けて洗面所に向かう。

途中、雅紀兄の部屋の前の廊下を通ると、襖の隙間から光が漏れていた。

まだ起きてるんだ････。

確か０時は過ぎていた。

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寒い洗面所の電気を点けて、引き出しを漁る。

腰痛持ちのお母さんがいつも買っている湿布があるはず･･･あった！

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病院でしか買えない薄い湿布を１枚取り、残りを箱にしまい、あった場所に戻す。

A「よいしょ、っと･･･」

しゃがんでいた膝をババ臭い台詞を言いながら伸ばし、目の前の鏡を見た。

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A「ギャーー！！！！！！」

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自分の真後ろに。

音もなく、声をかけることもなく、雅紀兄が立っていた。

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雅「シーッ！シーッ！婆ちゃんと母さん、起きちゃうだろ！」

雅紀兄の掌が私の唇を塞ぐ。

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後ろから手を回されて唇を塞がれながら、

雅紀兄の体温を背中に感じ、首筋に息を感じ、悪戯っ子みたいに笑う顔を

鏡越しに見て。

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このまま抱きついて好きだと告げれたら、この恋に何の未練もなく

捨てていけるのか・とあり得ない夢を見る。