＊キラキラ王子様＊ (ページ9)

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１２月２４日に、高級ホテルのフレンチでクリスマスディナーを。

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シラキさんから「堅苦しすぎない２人きりのお見合い」として提案されたのは、

私が経験したこともない内容だった。

ユキ「さすが２代目。金持ってんじゃん」

ユキが給湯室で折れた爪を削りながら笑った。

ユキ「いーんじゃない？お婆ちゃん経由だから騙す気もないだろうし･･･

真面目な人っぽいじゃん。少なくともイヴに会わなきゃいけない女はいないってことだしね」

ユキの長いフワフワの髪が揺れる。

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ユキ「･････報われない恋って世の中にいくらでもあるけどさ」

長い睫がユキの頬に影を落とす。

ユキ「相手にも･･･周囲にも言えない恋を抱えて生きるのは、辛いじゃん？幸せになりな？」

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幼い頃から私の夢は「雅紀兄のお嫁さん」

そんな夢を信じて疑わなかった私をずっと横で見ていた親友が

背中をポン。と撫でる。

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私は気を緩めると落ちてしまいそうな涙をこらえ、

課長にお茶を入れる。

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ユキ「あ、それ、ハゲのお茶？もっと薄くていいよ・笑。アイツ味覚オンチだからさ

私、いつか白湯をお茶でーす。って出してやろうと思ってんだ・笑」

口は悪いけれど優しい親友の笑い声が、優しく私を包む。

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１２月２４日。クリスマス・イヴ。

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そして、雅紀兄の誕生日。

私はずっとずっと雅紀兄の誕生日を一緒に過ごしてきた。

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今年初めて、雅紀兄の誕生日の夜に家を空ける。

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雅紀兄は家で過ごすんだろうか。

それとも誰か、特別な人に祝って貰うんだろうか。