＊キラキラ王子様＊ (ページ6)

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A「男運がない家系なのかなぁー････」

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小学校、中学校、高校と腐れ縁は続き、短大こそ離れたけれど

会社でまた再会したユキと、食堂で今日のランチ４９０円を食べながら思わず声に出た。

ユキ「別にお婆さんもお母さんも男運、悪くないじゃん？

心底惚れて後悔してないんだからさ、男運がいいんじゃないの？」

ユキが豆乳を飲みながらキョトンとした顔で言った。

A「･･･そっか･･･。私、は？」

ユキ「んー･･･アンタは難しい立場だよねぇ。雅紀くん、超かっこいいし。あれが家にいたら

そりゃ他の男に目がいかなくなるのも無理はない、って気もする。しかも優しいんでしょ？」

A「うん。超優しい」

ユキ「しかも面白いんでしょ？」

A「うん。今の特技はsexy zoneを完璧に歌い踊れること」

ユキ「うちの兄貴なんて、モッサイし、意地汚いし、臭いし、何もいいとこないけどね・笑」

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私の秘めた恋心は、この親友のユキにだけバレている。

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ユキ「バレる、ってアンタねぇ。アンタがずーっと「雅紀兄ぃのお嫁さんになるの」って言い続けてた横に

ずっといたんだから。バレるも何もないでしょうが」

いつも呆れたようにそう言い、それでもちょっと心配そうに私を見つめる。

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今日もちょっと苦しそうな顔をして私を見た。

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ユキ「･･･で？２４日だっけ？お見合い」

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ユキの顔から目を逸らして、私は頷く。

A「うん。クリスマスディナーを食べながらのお見合い、だって」

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会社の食堂の安いお皿は、よく見ると小さな傷がいっぱいで

それでも割れることもなく目の前にある。

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私は、小さな傷だらけの自分の心を。

きっとこのまま抱えていたら騙し騙し使える心を。

自分から割ろうとしている。

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いつか来る、雅紀兄の恋人や、結婚を見て割れる前に

自分から割ろうとしている。