＊キラキラ王子様＊ (ページ27)

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思えば、幼い頃から色々勘違いしていた。

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夜９時より遅く起きていると、窓から隣の家の「田中のおじさん」が入ってきて

私の宿題を全部消しゴムで消してしまう。と聞かされていたので

温厚で優しい田中のおじさんをいつも睨みつけていたし、

障子紙を張り替える日は、どれだけ面白い形に古い障子紙に穴を開けられるかの競技会だと言われていたので

(ちなみにこれも１０年続けた後、ユキに「明日の競技会に向けて個人レッスンするから付き合って」と行った際に

ユキの「はぁ？」でアレ？と気づいた)

個人レッスンを重ねた結果、人差し指をつき指したし、

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「大好きだけど、血の繋がったお兄ちゃん」

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だと思っていた人は実は赤の他人で、

お婆ちゃんも、お母さんも、

「３歳だからてっきり覚えていると思ったわ」

「３歳って意外にバカなのねぇ･･･」

なんて呆れ顔で言うだけで、

挙句の果てには

「雅紀みたいな端正な顔の子と血の繋がりがあったら、Aももう少し美人だろうに･･･」

「まったく鈍いのよねぇ、うちの子達は」

なんて言うだけで、

「２人がくっつけばこんなに嬉しいことはないと思って生きてきたのに、

お見合いし出すとか言い出すし、雅紀は何も知らない顔し通してるし」

「まったくねぇ。あ、お母さん、今日ね、トモちゃんに借りたのよ、渡鬼のスペシャルのビデオ」

「あら、ホント。見なくちゃだわね」

なんて渡鬼に興味がいっちゃって。バタバタと私の部屋を出ていく「嫁と姑」。

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私は気を失った。後、寝かされたという布団の上で、クスクス笑う雅紀兄に手を

握られ、ポカーーーーーンと事の顛末を聞いた。

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A「････雅紀兄？」

雅「雅紀」

A「････雅紀･･･兄･･･」

雅「ぶ・笑」

雅紀兄がゴロン、と横に寝転び、私の額にはりついた前髪を指で優しく払った。