＊キラキラ王子様＊ (ページ26)

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２６　☆side王子様☆ ページ26

「凛子さんの息子さんですってね」

品のある老女が言い、あぁ彼の本妻か。と知る。

罵倒される覚悟で頭を下げると、俺以上にその人は深々と頭を下げた。

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「主人がお世話になりました。凛子さんみたいな綺麗な人の傍であの世に逝けて

今頃天国で自慢してますよ」

泣きながらそう笑い、俺の手を握った。

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「うちにいらっしゃい。どんなに強いつもりでもね、１人で生きていく覚悟なんて

あなたの歳でするもんじゃありません」

その温かい手を俺は静かに離す。

ああ、彼が心底愛していたのは間違いなくこの人だろうな、と思った。

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雅「誤解をされています。俺はあの方の子供ではありません」

頭を下げた。

責任を感じて、見ず知らずの俺を育てようとしているのならそれは哀れな勘違いだ。

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俺がそう告げたのに、老女は隣の女性と顔を見合わせて笑った。

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「大勢で暮らした方が楽しいじゃない」

「ねぇ？うちにはちょうど男手もいないし。こんなにかっこいい息子が出来るなんて

お義父さんに感謝だわ」

２人は楽しくて仕方ないという風に笑い、

女性の膝の上に抱かれていた小さな女の子が

「にぃに？」

と俺の手を握って笑った。

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まるで魔法のように、その小さな手の温かさが心を溶かす。

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母が亡くなって以来、初めて泣いた。

拭いても拭いても溢れてくる涙を、たった３歳の少女が心配そうに見つめ

掌で俺の頬を何度も撫でて涙を拭いた。

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彼女たち、祖母と母とAは、俺を太陽のようだといつも言う。

違う。そうじゃない。

あなた達こそが太陽だ。

俺はあなた達の光に生かされ、生きる喜びを知る。

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そして、Aの成長と共にAへの愛を知る。

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Aへの愛は、祖母と母への不義理だと思った。

どこの馬の骨か分からない俺が、祖母の愛すべき孫であり、母の愛すべき娘であるAを

愛しているのは許されないことだと思って、Aの幸せだけを祈り生きてきた。

不器用に積み重ねた自分への嘘が崩れたのは、Aに震える手で抱きつかれ

愛を告げられたあの夜。