＊キラキラ王子様＊ (ページ23)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:355,084 hit

☆２３ページ23

・

・

キラキラ･･･まるでダイヤの結晶みたいに凍った雪が降ってくる。

・

窓をうっすらと白く染めていく初雪を

私は雅紀兄と手を繋ぎ、居間で正座して見ていた。

・

・

・

雅紀兄は「きちんと話そう？婆ちゃんと、母さんに」と真っ直ぐな瞳で私を見つめながら言った。

・

・

お婆ちゃんとお母さん、きっと泣くよ。怒りよりもまず泣くと思う。

大好きな２人を苦しめることが苦しくて、私はうまく頷くことが出来なかった。

・

雅「泣ーくなって・笑。大丈夫だから」

ゴシゴシと私の涙を拭きながら雅紀兄が笑う。

・

どんな逆境にあっても、嫌なことがあっても、雅紀兄はいつもいつも笑顔だ。

その笑顔に私がどれだけ助けられたか知らないでしょ。

優しい人。そしてとてもとても強い人。

・

雅「････この先さ、何があっても俺は平気だよ？」

雅紀兄のジャケットを羽織った私に、雅紀兄が微笑んだ。

・

雅「俺はAがいてくれるなら、人生バラ色だから」

・

・

そして何度目か分からない軽いキス。

クリスマス・イヴの街を歩きながら何度も何度もキス。

何十回目かのキスを頬にしながら、雅紀兄がブフ！笑と笑った時は

我が家の前だった。

A「････なぁに？」

雅「･････さっきから何かに似てるなーって思ってたんだけど･･･生まれたてのバンビだ・笑」

・

・

ボスン！と私のパンチが雅紀兄のお腹に入って

雅「いてっ・笑」

雅紀兄は笑いながら、私のその拳を握り締めてまたキスをした。