＊キラキラ王子様＊ (ページ20)

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☆２０ページ20

A「･･････？」

涙が止まらないまま、突然テーブルの上に置かれた薔薇の花束を見る。

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一瞬、シラキさんからのプレゼントかな？と思った。

薔薇の花束って････トレンディードラマかい。と思った。

私には似合わないぞ。と思った。

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・

「メリークリスマス」

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・

頭の上から聞こえた声に、薔薇の花束渡してメリークリスマスって。

だーかーらー、トレンディードラマかい。と思った。

石田純一かい。と思った。

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・

「･･･と、俺の誕生日なんだけど」

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その高い声と、その空気に、私の全身が震える。

A「･････雅紀兄･････？」

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涙と鼻水と口の中は仔羊のなんたらなんたらでいっぱいいっぱいな私が

見上げた先には。

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黒いスーツに白いシャツ。

胸ポケットに深い赤のチーフ。

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最高にかっこいい格好をして

長めの前髪の隙間から私を見つめる、雅紀兄。

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・

雅「･････俺の誕生日、祝ってよ」

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ふふ・と薄く笑った雅紀兄の長い手が伸びてきて

私の頬を撫でる。

A「･･･どして････？ここ････」

私の口から出た言葉を塞ぐように。

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あの綺麗な顔が近づいてきて、

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私の唇に雅紀兄の唇が。

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柔らかく、温かく、触れた。

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目を開けたまま、初めてのキス。

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唇が離れると目の前に雅紀兄の顔。

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雅「････プレゼントはAの未来をちょうだい？」