＊キラキラ王子様＊ (ページ16)

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掌で包んだマグカップからじんわりと温かさが伝わってくる。

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A「今年で３年目の･･･毛玉だらけのパジャマと、同じように毛玉だらけの

毛糸の靴下と･･･半纏(はんてん)着てる自分がいてねー･･･」

ユキ「ハハ・笑。私も部屋着なんてそんなモンだよ・笑」

A「そんな格好で告白なんて、ね･･･」

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A「･････あぁ、私と雅紀兄は、やっぱり兄妹なんだなぁって思った」

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A「どんなに好きだ、大好きだ、って思っても、やっぱり私達は兄と妹で

トキメキばかりじゃない日常がすぐ横にあって･･･ずーっと兄妹として生きてきた日々があって･･･」

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雅紀兄の細い腰を思い出す。

雅紀兄の匂いを思い出す。

雅紀兄の声を思い出す。

「俺が、守ってやるから。お前を絶対守ってやるから。･････泣くな」

雅紀兄のあの、言葉を思い出す。

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A「･････私はやっぱり、好きになっちゃいけない人を好きになったんだなぁって････

心底思った･･･････」

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A「･････うぅ･･･泣いて、いい？」

ユキ「泣け泣け」

A「うー･･････っ････！」

ボロボロと毀れる涙が、ココアに落ちた。

ユキが背中をゆっくりと撫でてくれる。

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雅紀兄。

最高に温かい、嬉しい言葉を、ありがとう。

あの言葉を宝物にして、私は生きていくよ。

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ありがとう。

ありがとう。

･･･････さようなら。