＊キラキラ王子様＊ (ページ15)

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☆１５ページ15

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２３日は朝早くからユキの家に行った。

ちゃぶ台の上に「今夜はユキの家に泊まります。明日はユキの家から

直接ホテルに行きます」とだけ書いた紙を残した。

一番最初に起きるのは･･･いつもお母さん。

お母さんは怪訝な顔をするだろう。

でもお母さんからはメールも電話もこなかった。

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お味噌汁が作れなかったのは、高校２年生の時にインフルエンザで

倒れた日だけだ。

毎日毎日、あの家で、皆の為に作っていたお味噌汁を作らない朝は

ポッカリと心に穴が開いたようで、昼近くになってもその穴から

ひゅうひゅうと風が抜けていく気がした。

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ユキ「････ブッサイクな顔しちゃって・笑」

ユキが「ほら」とココアが入ったマグカップを渡してくれる。

A「ゴメンね、朝早くから来ちゃって･･･」

私が謝ると「今はオトコもいないから、いつでも来ていいよ」サラリとそう答えてくれた。

ユキ「･････言っちゃったかぁー････」

ユキのワンルームのマンション。

２人でユキのベッドにもたれながら少し笑う。

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A「言っちゃったー････」

ユキがカチ。とタバコに火を点けた。

ユキ「雅紀くん、何て？」

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昨日の、驚き困惑した雅紀兄の顔を思い出す。

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A「驚いてた。････きっと、すごい困ってた」

ユキが「そっか」短く頷き、ふう･･･と煙を吐く。

白い煙がフワフワと揺らめいて流れていった。

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A「私、逃げるように部屋に帰ってね･･･もう家にいれない気がして、

ユキにメールして･･･朝一で出れるようにカバンに荷物を詰めて･･･

初めてそこで自分の格好を鏡で見たの」