＊キラキラ王子様＊ (ページ12)

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☆１２ページ12

雅「･････A････？」

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雅紀兄の小さな声と同時に、頬をつねっていた指が離される。

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A「？」

なぁに、どうしたの。そう聞く前に

雅「A？どうした？」

雅紀兄の声が耳に届いた。

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A「？どうしたって？」

少し後ろを振り向くと、雅紀兄の顔が目の前にあって

私の心臓がきゅう･･･と音を立てた。

慌てて目を逸らそうとすると、雅紀兄の指が私の頬の撫でる。

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指がスゥ･･･と頬を撫でて、その感触で私は気づく。

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雅「････なんで泣いてんだよ、お前･･････」

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目だけで鏡を見ると、まるで雅紀兄に抱き締められているかのような格好で

私の頬を涙が伝っていた。

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あぁまるで恋人みたい。

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鏡の２人を見て、一瞬でもそんなことを思った自分がバカみたい。

そう思うとまた涙がボロンと零れ落ちた。

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A「････なんでもない････」

雅紀兄の腕から逃げるように出て、掌でゴシゴシと目を擦る。

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雅「なんでもない訳ないだろ。どうした？」

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あぁもう、やめて？

そんなに心配そうな顔で私を覗き込まないで。

愛してなんかくれないくせに。身勝手な自分が大声で叫んでる。

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頬を撫でる雅紀兄の掌に、涙が流れていく。