＊キラキラ王子様＊ (ページ1)

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思えば、幼い頃から色々勘違いしていた。

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月曜日から煮込んだカレーを金曜日に食べる。というのは日本全国どこでも普通の決まりごとだと思っていたし、

(ちなみに違うんだ、と知ったのは小学４年生の時に親友のユキに言った

「もー、なんで今日金曜日なのに給食もカレーなの？」を指摘された時だ)

嫁と姑、というのは最高級に仲がいいものだと信じていたので

渡鬼のピン子が姑に嫌味を言われるのは、スターウォーズ並の別次元の話だと思っていたし、

お風呂にはお婆ちゃんとお母さんと毎日一緒に入って、最後は全員で湯船に浸かって

大声で歌を歌うものだと思っていたし、

(ちなみに就学旅行のお風呂で大熱唱をして、同じくユキに止められた)

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「お兄ちゃん」という存在は、

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とっても優しくて、とってもかっこよくて、とっても素敵で、

とにかく、とってもとっても大好きで

お兄ちゃんのお嫁さんになる！と、世の中の妹は全員思っていると思ってた。

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そして願えば「お兄ちゃんのお嫁さん」になれるものだと信じてた。

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この夢が、あり得ないことで、いや、あっちゃいけないことで、

私が幼い頃から大好きで大好きで大好きだった人とは

永遠に結ばれない所か、私はいつかその大好きな人が恋人を家に連れてきて

結婚なんかしちゃって、父親になっちゃって、髪の毛も薄くなっていって

それでもきっと優しくてかっこいいままで

そんな年月を永遠に「妹」として傍で見ていることしか出来ないだなんて。

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そう知った時、私は生まれて初めて「金曜日のカレー」も食べず、布団に包まって泣いた。