最強ちゃみの千夜一夜絵巻

対峙する *ラスト追加* ページ10

【朝廷】

ﾁｬﾝﾐﾝ「…ったく！毎日毎日だるいぜ！朝から晩までこんなとこにいなきゃなんないなんてよぉ！父上め…ｯ！」


ー仕事をサボるお前が悪い。七日一日足りとも休まず出廷すれば外出を許可してやろうー


ﾁｬﾝﾐﾝ「ﾌﾝ！今日が約束の七日め。今日一日我慢すればAに会いに行ける…」

「珍しいな。お前が朝廷に顔を出すとは(笑)」

ﾁｬﾝﾐﾝ「…なんだ。お前かよ…(あからさまに嫌な顔)」
ﾕﾉ「仕事は真面目にやれ。右大臣殿のためにも」
ﾁｬﾝﾐﾝ「ﾌｯ…昨夜と同じ狩衣(かりぎぬ)…お前こそどこで遊んできた？ん？東宮様よぉ！」
ﾕﾉ「…お前に返すものがある」
ﾁｬﾝﾐﾝ「ﾊ？お前に貸しなんて作ってねえぞ…ｯ！」



檜扇を差し出すﾕﾉ


ﾁｬﾝﾐﾝ「お前…どこでそれを…」
ﾕﾉ「お前こそどこで何を？」
ﾁｬﾝﾐﾝ「こっちが聞いてる？！何でお前がそれを持ってるんだ！」
ﾕﾉ「遊びなら他でやれ！私のものにまで手を出すな…ｯ！」
ﾁｬﾝﾐﾝ「お前の…ものだと？」
ﾕﾉ「そうだ！いずれ正式に入内させ私の妻にする…」
ﾁｬﾝﾐﾝ「あいつが…お前の…？ふざけるなｯ！お前は左大臣の娘との婚儀が決まっているだろ？！」
ﾕﾉ「私の意思じゃない！」
ﾁｬﾝﾐﾝ「それが政治ってもんだろうが！お前は東宮だ！帝になる身だ！誰もが己の権力争いにお前を利用する！その争いにあいつを…Aを巻き込むな！」



被っていた冠と笏を叩きつけると朝廷を後にするﾁｬﾝﾐﾝ



ﾕﾉ「わかってる…お前に言われなくても…それでも私にはAが…必要なんだ…ｯ！」


「東宮様」


背後から聞き覚えのある声に一瞬嫌悪な表情を見せるが振り向くと思いっきり笑顔を見せるﾕﾉ



ﾕﾉ「左大臣殿」
左大臣「朝から失礼な奴ですなぁ」



ﾁｬﾝﾐﾝの冠と笏を広いながら遠くに見えるﾁｬﾝﾐﾝの姿を見る左大臣



左大臣「東宮様に対してあのような態度とは嘆かわしい…」
ﾕﾉ「では左大臣殿、公務に戻ります」



去ろうとするﾕﾉを呼び止める



ﾕﾉ「まだ何か…？」



苛ついた様子で返事をしてしまうﾕﾉ



左大臣「今宵はどうぞ我が家にお越し下さいませ」
ﾕﾉ「…」
左大臣「私の娘が東宮様と是非とも香合わせをと申しておりまして」



ﾄﾞｷｯとするﾕﾉ



左大臣「娘の香も中々ですぞ？その衣に付いた風変わりな香りより…」
ﾕﾉ「…わかりました。今宵参ります」


Aのことを言ってると気づいたﾕﾉ
左大臣の申し出を仕方なく受ける

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