最強ちゃみの千夜一夜絵巻

高貴なお方 *ラスト追加* ページ7

たくさんの女房たちの働きによりあっという間に体を清められ、身支度も完了した


「ﾊｧｧ…素敵な唐衣…」



女房もうっとりな衣装



確かに。
濃紫を基調にした唐衣にだんだん薄くなってきれいな紫のｸﾞﾗﾃﾞｰｼｮﾝになっていて、締めの袴の紅が一層引き立たせた。



紫といえば高貴な色…
限られた公家貴族しか身につけないのに
これを贈るってことはそれ相応のお家柄の人ってこと…？



「けどさすが東宮様よね。こんな素敵な唐衣贈られるんですもの。」



ん？
東宮っつった？今、




「ほんとうちの姫様は幸福者ですね！」




これ？！
この似顔絵が来るの？！




ﾔﾀﾞﾔﾀﾞ！
こんなのに会いたくない(泣)




A「私、辞退します。寝込んでるって言っといて。」
「何ﾊﾞｶなこと言ってるんですか！(東宮様のおな〜り〜と声) ほら！お見栄になられましたよ！お出迎え下さいませ！」
A「ｷｬｯ…ｯ！」



女房に無理矢理押し出された



A「うぉ…ｯと…ｯ！」



押し出された拍子にふらつく間抜けな私



「A！？」



ﾊﾞﾌｯ！



体ごと受け止められた



ﾕﾉ「大丈夫かい？」
A「ﾊ…ﾊｲ…」



私を心配そうに覗き込む東宮様は
私のよく知ってるﾕﾉﾕﾉだった…



ﾕﾉ「相変わらずｵﾃﾝﾊﾞだなぁ(笑) Aは」



私を抱えたまま部屋へとあがる東宮ﾕﾉ
私の知ってるﾕﾉじゃないのに
東方神起のﾕﾉじゃないはずなのに
ﾁｬﾐ同様見つめられて心臓ﾊﾞｸﾊﾞｸ




A「東宮…様…」
ﾕﾉ「A。二人きりの時は名前で呼ぶと約束しただろ？」



二人きりって
すぐそばに婆やも女房もわんさかいるのに




ｼｰ…ﾝ…



見事にいねえ？！



私召されました？！
完全に東宮に差し出されました？！



A「えっ…と…ﾕﾉ…？」
ﾕﾉ「ん？なんだい？」
A「降ろして…くれる？」
ﾕﾉ「承知しました。姫君」



そう言って優しく降ろしてくれた
高価なｶﾞﾗｽ細工を扱うように
そうーっとそうーっと…



これがﾁｬﾐならきっと…「やだね」とか言いながらそのまま寝床へ連れ込むかも



ﾕﾉ「A？」
A「(ﾊｯ) ご、ごめんなさいｯ！」



ﾕﾉといるのにﾁｬﾐのこと考えるなんてｯ！



ﾕﾉ「この色にして良かった」
A「え？」
ﾕﾉ「萌木にしようか紅梅にしようか、Aにはどんな色が合うだろうって。でもやっぱりこの色には敵わない。Aに似合うのは高貴な紫だ…」
A「ﾕﾉ…」

淡白な人？→←こんなで落城寸前

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す