最強ちゃみの千夜一夜絵巻

こんなで落城寸前 ページ6

A「…来ないじゃん」



「練習してくるわ！」と行ってから、待てど暮らせど姿を見せない



A「…なにさｯ！残さず食べるなんて言っておきながら食べに来ないじゃん！」



このまま忘れられちゃうの？
腐るまで…



A「…ﾁｬﾐのﾊﾞｶ」



もう来たって中に入れてやんないんだから！



A「あれ？なんだろ…？」



ﾁｬﾐをかくまっていた屏風の裏に何かが落ちていた



A「檜扇…？」



明らかに私の私物ではない男物の檜扇(ひおうぎ)
開けると何かが書いてあった



A「歌…？なんて書いてあるの？」


これじゃあ上手いか下手かも判別不能
最早みみずが走ったような落書きにしか見えない(大泣)ｸﾞｽｸﾞｽ



A「ねえ！ちょっと！」



読めそうなその辺の女房を捕まえた



A「これ…なんて書いてあるかわかる？」
「これですか？うっわぁ！キッタナイ！誰これ！下手すぎ！」



やはりﾔﾂ(=ﾁｬﾝﾐﾝ)の代物か



「ｷﾐ…？ｷﾐは…ｷﾐを食べたい？」
A「もういいｯ！ありがと！」



ﾔﾂの言わんとすることはわかった



「てか、それ恋文のつもりなんですかね？そんな歌に落ちる女なんていませんよぉ(大笑)」



いるよ目の前に(泣)
落城寸前(ｼｸｼｸ)



A「かくまってくれ！とか言いながらｱｲﾂってば裏でこんなの書いてたんだ…もし、私が見つけなかったらどうすんの？」



と言いつつも結構嬉しかったりする…



A「もう…早く最後まで食べに来てよ…」



待つのって結構辛かったりするんだから…



「姫様」



ﾄﾞｷｯ？！
婆やの声



A「は、はいｯ！」



ﾏｽﾞｲｯ！
扇隠さなきゃ！



A「ここでいいや！」



しとね(当時の敷物)の下に隠しとこｯ！



婆や「姫様」
A「なあに？婆や」
婆や「お体をお清めになったあと、こちらの唐衣と裳を身につけて下さいませ」



また十二単…

十二単って重いだけじゃなくこの時代の所謂礼服なのになんでまた？



A「あの…慶事とか行事でもないのにどうして唐衣を？普段着の小袿(こうちぎ)で十分では？」
婆や「言い訳無用です。これから大切お方とお会いするのですから正装でなければ失礼にあたります。それにその唐衣と裳はそのお方様からの賜り物にございます。姫様が着て下さることを望んでおられます。さ、お前たち！はよう仕度を」


「はい！」


いつもよりたくさんの女房たちが入ってきた

高貴なお方 *ラスト追加*→←十二単の罠

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