激しい気性の持ち主、だけど… ページ35
A「…遅いな」
ここで待つように言われてから
ずいぶん経ったような気がする
嫌がらせ…なのかな?
A「ううんッ!そんなことない!女御様のお支度が手間取ってるのよ!だって髪洗ったり十二単着るの大変だもの…」
他の人はともかく
女御様はそんな人じゃない
そう思いたかった
左大臣様がどんな人でも
女御様も同じとは限らない
純粋にユノが好きで
ユノを支えようとしてくれる人
そう自分に言い聞かせた
不安な顔は見せられない
少しでも隙を見せたら負け
でないと私を見つめるたくさんの視線に飲み込まれてしまう…
「…ち下さいませ!」
「そっちへ行ってはなりません!女御様!」
女御…?
女御ってもしかして…
衣擦れの音と共に部屋の中にツン…とお香の匂いが広がった
「女御様!」
その声に見上げると
紅梅の艶やかな袿を着た女性が私を見下ろしていた
女御「この者か?」
「あ、あの…」
女御「この者が離宮の女かと問うておる!」
「ハ、ハイ!そうでございます!」
パシッ!
えっ?!
女房がそう答えたと同時に平手打ちを食らわせた
女御「なぜすぐ連れて来ないのです!」
「…申し訳ございません。」
「思い知らせたかったのです!自分の立場を」
女御「浅はかな…ッ!なぜわからないのです!お前たちが勝手にやったことでも、東宮様は全て私がやらせたとお思いなるのです!」
そう女房たちを叱責した後
また私を見下ろした
「女御様、ではお部屋にお戻り下さいませ!この者を連れていき拝謁させま」
女御「拝謁などいりません。もう会いました。」
私から視線を外さず答える
女御「この者と二人で話がしたい。お前たちは下がってよい。」
「はい…」
女御様に言われ部屋を出ていくと
すぐさま衝立で覆われた
上座を女御様に譲るとそこにスッと座った
女御「私の女房たちが無礼なことをしてすまなかった」
A「いえ…」
女御「お前とは話がしたいと思っていた…一人の男を共有する女同士として…」
A「女御様…」
女御「勘違いするな。このまま黙って東宮様をお前に渡そうだのとは思ってはいない…ッ!」
私を睨むその瞳から感じる嫉妬
自分の心に偽ることなく
相手がどんな人でもぶつけてくる激しい気性の持ち主
そして誰よりもユノを愛してる人…
ユノが話していたように権力に固執しているようには見えなかった…
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愛絵理(プロフ) - あっりがとうごっざいます。ほんっと、どっこまで嫌な女なのでしょう?東宮がこんな女を好きになれない気持ちわかりますっ!こんな女をいい女だなんて言うチャミ様が許せないっ!このままだといったいいつになったら初夜をむかえられるのか?はあぁ〜! (2013年12月7日 23時) (レス) id: 8babc122cc (このIDを非表示/違反報告)
bubu - 愛絵理さん» 杉本頂きました。もうとことん嫌な女やな! (2013年12月7日 19時) (レス) id: 8721f12fa8 (このIDを非表示/違反報告)
愛絵理(プロフ) - 女御様、嫌みなタイプ!いっつまでも根に持つ女ってさいってい!子供って人のために作るんじゃないじゃん!さも東宮が主人公に未練があるみたいな遠回しな言い方しって。主人公はきっぱりよくぞ言ったね!スーッとするね。この女御様のイメージ、杉本彩って感じぃ~! (2013年12月5日 14時) (レス) id: 90dda2d537 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - まゆまゆさん» そうではなさそうねf(^_^; ほんと女心は複雑とよく言ったもの。男もわかって欲しいね。 (2013年12月5日 13時) (レス) id: 0e97273796 (このIDを非表示/違反報告)
bubu - 愛絵理さん» ほんと女御様の真意はどこに…チャミとの初夜…まだまだ先になるのかなぁ(;´д`) (2013年12月5日 13時) (レス) id: 0e97273796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bubu | 作成日時:2013年11月11日 23時