最強ちゃみの千夜一夜絵巻

都合のいい答え *ラスト追加* ページ23

「どう？姫様。お食べになった？」
「ううん…今日も手をつけてらっしゃらなかったわ…」



Aのお世話をする女房たち
塞ぎ混んだAを心配する



「何があってもめげない強い方だったのに」
「東宮様とのご結婚そんなにお嫌なのかしら」
「わからないわ。あんなに姫様のこと想って下さっているのに」
「そうね。私だったら、喜んでお受けするわ。」



好き勝手に噂の種にする女房たち



婆や「…」
ﾕﾉ「まだ諦めてないのか？」
婆や「東宮様！」
ﾕﾉ「私が話をつけて」
婆や「東宮様！今宵はお帰り下さいませ！明日は女御様とのご婚儀ではございませんか！ここにいてはいけません！」
ﾕﾉ「ではAに説教されてこよう(笑)」
婆や「東宮様！」
ﾕﾉ「…のう婆や。真実とは残酷だと思わぬか？それを知るのも知らぬのも、またそれを阻み自分の都合のいいように利用するのも…一体何が正しいのかと問われれば婆やなら何と答える？」
婆や「…私には難しくてわかりません…」
ﾕﾉ「ﾊﾊ！名答だ！そんなこと誰にもわからぬ…そのわからぬ答えをじっくりAと考えてみるとしよう…」
婆や「…東宮様。あなた様は全てをご存知なのですか…？ﾌｯ…そうでございますね…そんなこと知る必要などない…東宮様は姫様をご自分の元へ…そして私は若様と姫様を引き離せればそれで良いのです…」



ﾕﾉ「何をそんなに悩んでいるのだ…？」
A「…」
ﾕﾉ「解決策を授けてやろうか？簡単なことだ…私の元へくればよい…」



ﾕﾉに何を言われても
その顔が近づいて来ても


反論する気力も
拒む力もなくなっていた



ﾕﾉ「…よほど堪えておるようだな。拒ぬのか？蹴りは入れぬのか？」
A「…」
ﾕﾉ「お前らしくもない。あいつが顔を見せぬことが食事も通らぬほど辛いのか？」
A「…」



もちろんそれもある
ﾁｬﾝﾐﾝのことが大半だけど



親のことも含め
知りたいことが山程あるのに
誰にも聞けない


何もわからないまま
ﾕﾉと結婚させられて
子供まで生まなきゃならない



そう考えると
涙しか出てこなかった



ﾕﾉ「…理不尽なことだな。なぜ思い通りにならぬのか…なれどそれがこの世というもので人はそれを受け入れねばならぬ…私も東宮という立場上好きでもない女人と結婚させられる…」
A「…好きでもないなんてﾋﾄﾞｲ…」
ﾕﾉ「仕方ない。私が好きなのはお前で左大臣の女御ではない。お前もそうではないか？好きなのは私ではなく中将ﾁｬﾝﾐﾝ…」

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