最強ちゃみの千夜一夜絵巻

運命なんて ページ22

「姫様、夕げ」
A「…いらない」
「でも…姫様」
A「食べたくないの。」
婆や「下げなさい。」
「でも…」
婆や「食べたくないと仰ってるのです。」
「はい…」
婆や「姫様、こんなことをしても無駄です。姫様の運命はもうすでに決まっているのですよ？」
A「…」



私の運命は決まってる？
どうして親でもない赤の他人の婆やにそんなこと言われなきゃなんないわけ？！



A「そうよ！親に言われるならともかく婆やにそんなこと言わ…」




親…？
誰？



A「会ったことない…」



この時代に来てから一度も会ったことがない



ﾏﾏは病気がちって言ってた気がするけど
それにしてもどこにいるの？



少なくともこの屋敷には私と婆やと女房、使用人たちだけ




大きなお屋敷だから貴族だとは思うけど




ﾊﾟﾊﾟには会ったこともなければ、どこの誰かもわからない



普通の結婚じゃないのかな…



でもそれにしても誰もそのことに触れないのも変だ



A「それにどこの誰かもわからない娘をいくら東宮の望みだからと結婚を認めるはずがない…」



ﾕﾉは知ってるの？
ううん！例え知ってたとしてもﾕﾉには聞きたくない



A「あ…あの人に聞いて見よう…」



私が外でﾁｬﾐと会うのに協力してくれた女房
あの人なら何か教えてくれるかもしれない



A「待って。私が自分の父親のことを聞くなんておかしいよね…」



ああもうｯ！
いやになる…



自分のこともよく知らないのに運命だけ受け入るなんて…



A「元の世界に戻れないかもしれないのに好きに生きちゃだめなの…？」



だったらどうしてﾁｬﾝﾐﾝと引き合わせたの？



A「神様ってこんなｲｼﾞﾜﾙなの…？」




【右大臣邸】



ﾁｬﾝﾐﾝ「父上！ここから出して下さい！」



牢の中から叫ぶﾁｬﾝﾐﾝ



ｷｭﾋｮﾝ「静かにしろ」
ﾁｬﾝﾐﾝ「てめえ！ｳｼ！早くここから出せ！」
ｷｭﾋｮﾝ「誰がｳｼだ(怒) 一生入ってろ！」
ﾁｬﾝﾐﾝ「ｷｭﾋｮﾝ！」
ｷｭﾋｮﾝ「お前が東宮の女に手ェ出すからこんなことになるんだろ？！」
ﾁｬﾝﾐﾝ「誰が東宮の女だよ？！Aは俺と結婚するんだ！」
ｷｭﾋｮﾝ「ﾊﾞｶなこと言うな！今回はお前が悪い。協力なんてしねえからな。左大臣の姫との婚儀が終わったら、あの姫さん離宮に呼ぶらしい。それまでここから出すなって右大臣様に言われてる。それまで我慢しろ」
ﾁｬﾝﾐﾝ「ｸｯｿ…ｯ！」

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