最強ちゃみの千夜一夜絵巻

女の幸せのボーダーライン ページ21

「姫様！また東宮様からお品が届きましたよ！」
A「ﾊｧ…(ため息) 」




いらない
ﾕﾉからのﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄなんて

こんな絹だの宝飾だの
自分が来ない日はじゃんじゃんﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄを送り付けてくる



A「民たちが一生懸命働いて納めた税金をこんなことに使うなっつうの！もったいなーい！」



ﾁｬﾐなんて使い古しの檜扇一つだぞ！



A「女房ですら読めないくらい汚い字の…」



それでも



それでも



私は嬉しかったんだから…



婆や「姫様」
A「…何ですか？(不貞腐れ気味に)」
婆や「東宮様に賜り物のお礼の文を」
A「…わかりました。」




書きゃあいいんでしょ！書きゃあ！
はい！さんきゅうっと！


婆や「ま、良いでしょう。それではこれをお付きの者にお渡し致します」
A「…あの！」
婆や「何でございますか？」
A「もうこれからﾕ…東宮様からの贈り物、受け取らないでくれませんか？」
婆や「姫様？！ なんと言うことを仰られます！」
A「だって！こんなにたくさん頂く理由がありません！」
婆や「東宮様のお気持ちではございませんか。恐れ多くも姫様は東宮様からご寵愛を」
A「一方的です！私の気持ちは？！」
婆や「関係ございません！女の幸せというのはどんな殿方に愛されるかによって決まります。姫様は誰でもなれるものではない東宮様の妻の座が約束されておられるのですよ？」
A「…妻はちゃんとおられるじゃありませんか…」
婆や「それなりの家柄の方がご正室におさまるのは当然のこと。ですから東宮様も女御様をご正室にお迎えになるのです。ですがご正室になられたからといってそれでお立場が安泰とは限りません。」
A「どういう意味ですか…？」
婆や「お世継ぎ…東宮様からご寵愛を受けご懐妊し親王様を誕生させ、その親王様が次の東宮になられた暁にはその母君は中宮の座を与えられ国母(こくも)となられる。その栄誉を東宮様は姫様にお与えにとお考えなのです」
A「そんな…ｯ！？」



私がﾕﾉの子供を…？！



あり得ない
信じられない



それにそんなことﾕﾉと結婚する姫君が許すはずがない！



A「ｲﾔ…嫌です！私、ﾕﾉと結婚なんてしない…私は…私は愛する人と一緒になります…迎えに来てくれるって言ったもの…ｯ！」



必ず来るって


ﾁｬﾝﾐﾝが…ｯ！

運命なんて→←想いは反比例

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す