最強ちゃみの千夜一夜絵巻

わざわざ来なくても ページ16

朝になり左大臣の屋敷から出てくるﾕﾉ
左大臣と女御に見送られる



左大臣「東宮様、またお越し下さいませ」
ﾕﾉ「…」



無言のまま牛車に乗る



左大臣「女御や、昨夜東宮様からお手つきは…？」
女御「(首を振る)ずっと背を向けてあらせました…」



ﾊﾞﾁﾝ！と持っていた扇を手に叩きつける左大臣



左大臣「…なんとも小癪な若造がｯ！」



左大臣の屋敷から宮殿への帰りAの屋敷へ向かう別れ道に差し掛かる
牛車が迷うことなく宮殿の方向へ向こうとすると「止まれ」と中のﾕﾉが命令する



ﾕﾉ「…宮殿には戻らぬ。Aの屋敷へ向かえ」



ﾕﾉの命令で宮殿とは反対のAの屋敷へと牛車が動き出す



【Aの屋敷】



A「あぁ、美味しそう♪」



一応貴族の家だからかなぁ
朝から御飯はあるし、おみおつけもある



A「毒味されるから冷たくなってるっていうのが難点だけど、それ以外は問題なし！いっただきま〜す♪」



「姫様、失礼いたします！」
A「へ？あ、ちょっと！」



まだ食べてもいない御膳を取り上げられた



「姫様はこちらへ」



女房に御膳ごと上座から下座に追いやられてしまった
そして私が座っていた場所には新たな御膳が運ばれてきた
しかも卵やら入って豪華になってるし(怒)！




A「何で私には卵入ってないの？！大好きなのに！」
ﾕﾉ「ｸｽｸｽ(笑) そんなに好きなら私のをあげるよ」
A「ﾕﾉ？！」



なんで？
なんでﾕﾉがいるの？



ﾕﾉ「Aと一緒に朝げが食べたくてね」



そう言うと私の目の前の上座に座った



A「わざわざそれだけのために？」
ﾕﾉ「そうだよ(ﾆｯｺﾘ)」



嘘臭い
この前は「いつ会えるかわからない」とかなんとか言ってたじゃん
こんな朝早くわざわざ宮殿から出てくるなんて



A「ほんとかなぁ！どこかの姫君のお屋敷から帰る途中たまたま寄っただけじゃないの？」



私的には別にどうでもいいけど
ﾕﾉがどこに行こうと
これがﾁｬﾐなら許さないけど！



ﾕﾉ「…気になる？」
A「気になるというか…」



私と頻繁に会う方が立場的にどうかと…と言いながら自分の御膳をﾕﾉからもっと離した



ﾕﾉ「…なぜ私から離れる…？」
A「お、恐れおおいからだよｯ！」




ﾁｬﾐが近づくなって言ったからだとは言えないし



ﾕﾉ「…来い」
A「ﾑﾘです」
ﾕﾉ「こっちへ来い！」



声を荒げた

その声に従う→←牛と共に去り行く *一部修正*

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