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山の朝は早い。
ピンポーン♪
ドンドンドンドン
「おーい、智いるかー？」
なんで山のおじさんたちって、インターフォン鳴らしてさらにドアを叩くんだろう(笑)
『はーい！いま開けますね』
「智いるか？」
『起こしてきますね』
「まーだ寝てるのか」
あのね、おじさん。
いま朝の4時半。
智「ぉはよ、テルさん。早ぇな、どしたの？」
「昨日の晩から電気つかねぇんだよ」
智「ぇ、ゆうべから？テルさんの家だけ？」
「いや、あたりみんなついてねぇさ」
智「マジかぁ…すぐ行くよ」
智さんがおじさんの話を聞いているあいだに、おにぎりを2つ作って
軽トラックに乗り込む智さんに渡す。
智「おし。ちょっと行ってくる」
三段ハシゴをくくりつけた軽トラックは、見る見るうちにその姿が小さくなって、変電所よりもっと奥の山へと走っていく。
穏やかにのんびりと過ぎていく山の時間。
特に仕事がないときは、畑仕事をしているおじさんやおばさんを描いたり
すぐ近くの保育園で、子どもたちと鬼ごっこしたり、砂場でトンネルを掘ったり(仕事しろよ)
智さんには、とても良い環境だと思う。
智さんの分と一緒に、自分のも作っておいたおにぎりを食べて、広い裏庭に洗濯物を干して、事務所のお掃除。
そうするうちに智さんが戻ってきて
智「ダメだこりゃ。みんな呼ばないと」
停電の範囲が広過ぎて、ひとりで直し切れないと判断した智さんは、
智「あ、ニノ？ちょっと全員集めて来てくれる？...うん。そう、停電...」
智「困った困ったー」
困ったって言いながら、んふふって笑っちゃってるじゃん
みんなに会えるのがうれしいんでしょ？
わかるよ。
私もうれしいもん♪
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作者名：さと美 | 作成日時：2018年7月12日 20時
